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「みなさんがきれいになるための手段として美容医療がある」

野宮 美容医療全体が美容外科としてちょっと大げさに捉えられていたよね。

髙瀬 とにかく、みなさんがきれいになるための手段として美容医療がある、そういう考え方にいまはなっているんです。ただ、美容皮膚科と美容外科には大きな違いがあって。治療をやめれば必ず元に戻るのが美容皮膚科。いい意味でも悪い意味でも。ボトックスもヒアルロン酸も時間が経てば代謝でなくなりますし、シワやシミも残念ながらまた出てきてしまう。でも、私はそれがいいと思っていて。メスで取り除いたものは絶対に元には戻りませんから。やってみて良かったと思えば続ければいいし、合わないと思えばやめればいい。元に戻るだけなので。

渡辺 ボトックスとヒアルロン酸の違いって?

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髙瀬 ボトックスはボツリヌス菌がもつA型ボツリヌス毒素を含む製剤です。筋肉を動かすときは神経から指令がいくわけですが、ボツリヌス菌は神経をブロックして筋肉を動かなくする作用があるんです。ですから、表情ジワと呼ばれる眉間や額、目尻、顎に使うことが多いんです。私の場合、エラにもやっていて。

松本 エラ? あ、もしかして嚙みしめですか?

エラへのボトックスの効果を説明する髙瀬さん

髙瀬 そうです。歯ぎしりのクセがあるので、エラにボトックスを打って咬筋を鈍らせ、嚙みしめを防ぐ。そうすると、頭痛や肩凝りも解消されるんです。だから、美容というよりメンテナンスの感覚です、私は。

3人 へえ~!

髙瀬 一方、ヒアルロン酸は、シワを改善するために日本に導入されましたが、いまは使い方が変わってきていて。要は、加齢に伴い、骨や筋肉、脂肪などが萎縮してくるのでボリュームが減っていく、その減った部分をヒアルロン酸で補うんです。例えば、口角が下がった、そういうときに左右の頰にヒアルロン酸を入れて元に戻していく。

野宮 骨を補い引き上げる。

髙瀬 そう。ですから、筋肉の動きが強い部分を抑えるのがボトックス、若い頃の骨格に戻すためにボリュームとして埋めていくのがヒアルロン酸なんです。