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「女性器のルックスが気になるという患者さんが多いです」東大医学部卒エリート医師が“下半身専門クリニック”を開いたわけ

ヴェアリークリニック院長・井上裕章さんインタビュー

2022/09/16
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 2022年1月、性器の見た目から性生活の改善まで、下半身について幅広い相談ができる下半身専門美容外科「ヴェアリークリニック」が東京・六本木にオープンした。

 遠方からも患者が絶えない話題のクリニックを立ち上げた井上裕章先生は、医者の家系に生まれ、東大医学部を卒業。がん医療に携わってきたエリート医師という華やかなキャリアの持ち主でもある。

 そんな井上先生に、下半身美容の最前線から、性器整形に携わるきっかけとなったある患者との出会いまで話を聞いた。

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©文藝春秋

◆◆◆

井上裕章先生(以降、井上) お待たせしました。よろしくお願いします。

――今も直前まで手術で執刀を?

井上 そうです。ほとんど毎日ですかね、オペは。

――「下半身専門」の美容外科として開院したばかりの「ヴェアリークリニック」ですが、すでに多くの方が来院されているようで。

井上 クリニックは六本木にあるんですけど、中国・九州地方から来てくださる方もいます。何より、口コミで来てもらえるのは嬉しいですね。

――脱毛や美容皮膚科なんかは話しやすいですけど、性器の悩みとなるとまだハードルが高いですよね。

井上 そんな言いにくい悩みを他人に打ち明けてまで当院をおすすめしてもらえるのは本当にありがたいです。

――「下半身専門」を謳った美容クリニックはやはりめずらしいですか。

井上 国内ではうちとあともう一つくらいしかないと思います。やはり美容整形は顔や豊胸がメインで、メニューの一つとして用意しているクリニックはあっても、下半身を専門にしているところはほとんどないのが現状です。

 海外に目を向けると、美容整形大国の韓国では、下半身美容もさかんですね。僕自身も単身渡航して、現地で著名な医師のもとで女性器形成について学びました。

患者の99%は女性、最も多い悩みは「性器の見た目が気になる」

――下半身について、どんなお悩みを抱えている方が多いですか。

井上 うちの患者さんの99%は女性でして、その中でいうと、「見た目が気になる」というお悩みが一番多いです。

――つまり、女性器のルックスがコンプレックスになっている、ということ?

井上 女性器の見た目、つまりは「外側」にまつわる悩みで多いのは、小陰唇の黒ずみや大きさですね。小陰唇とは、膣口の両側にあるヒダのこと。これを小さくする「小陰唇縮小手術」が今とても増えていて、その要因のひとつにVIO脱毛があります。