――VIO脱毛したことで、これまで毛で隠れていた部分が見えるようになって……。
井上 はじめて自分の性器をちゃんと直視して衝撃を受けた、という方が来院されるケースが少なくありません。中には、小陰唇が大陰唇(※)からはみ出ていて、自転車に乗ったときにすれて不快感がある、下着とこすれて痛むといった支障が出ている方もいます。
(※)女性器のいちばん外側にある、左右一対のふくらみのこと。
介護を見据えて手術を受ける人もいる
――見た目の話だけでなく、日常生活のなかで支障が出ているケースもあるんですね。股ずれや靴ずれも痛いですけど、局所は余計に痛そうです。
井上 小陰唇のかたちや大きさによっては、排尿時に尿が飛び散ってしまう方もおられます。それが理由で手術を受けたい、というケースもありました。この方は将来を見据えて、介護をしてくれる人に迷惑がかからないようにしたい、という思いもあったようです。
ただ、大きさが気になるからといってえぐるように小陰唇を全部切り取ってしまうと膣口が開きっぱなしの状態になってしまい、乾燥したり雑菌が入りやすくなってしまいます。
小陰唇縮小手術は性器整形ではメジャーなものなので扱っているクリニックは多いですが、術前のデザインは気をつけないといけません。切り取りすぎてしまったものの修正はむずかしいので。
――外科医が性器の形を決めるときも「デザイン」というんですね。
井上 デザイン……そうですね……デザインって言いますね。逆に、他の言い方が思いつきません(笑)。
ただ、大前提として、肌の色や骨格が一人ひとり異なるのと同じように、見た目だけの話でいえばまったく問題はありませんので、そこは安心してください。
そしてうちの場合、他のクリニックに比べて「内側」の悩みでいらっしゃる方がかなり多いのではないかと思います。
「膣の緩みが気になるという」という声
――女性器における「内側」の悩みとは?
井上 膣の緩みが気になる、性交渉の感度を上げたい、という声ですね。
――膣の緩みなどに気づくきっかけってどんなものでしょうか。
井上 たとえば、産後に性生活を再開しようとしたときに「あれ……?」と思ったり、入浴時にお湯が膣内に入って、お風呂を出たあとに漏れてきたり。そういうことで緩みを感じられる方は多いですね。