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 かけつけた警察官の目に映る由美子さんは、普通の状態ではなかった。

「自宅で監禁されていたという由美子さんですが、食事は与えられ、排泄もさせてはもらっていたようです。ただ、保護された際には左目が腫れ、皮下出血があったほか、背中には打撲を負っていました。現在は入院し治療を受けているようです。県警は由美子さんが日常的に暴力をふるわれていた可能性が高いとみています」(同前)

 通報から2日後の22日、兵庫県警の捜査員は三宮センター街にいた穂坂4きょうだいを発見し、逮捕。その場に修くんの姿はなかった。

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長女の息子はスーツケースに詰め込まれていた

「逮捕から約3時間後、きょうだいの案内で、草むらに捨ててあったスーツケースから修くんの遺体が発見されました。遺体には目立った刺し傷や、切り傷こそないものの、遺体の遺棄に関わった可能性は高いとみて死体遺棄容疑を視野に捜査を進めています。修くんは自宅から徒歩5分ほどの保育園に通っており、来年に小学校入学を控えていました」(同前)

修くんが通っていた保育園 Ⓒ文藝春秋

 今もって謎に包まれている今回の事件。加害者でもあり被害者でもある一家の“不審”な様子は、近所でも度々目撃されていたようだ。近隣住民の女性が話す。

「すごく変わっているというか、奇妙な家族だなと前から思っていたんですよ。お母さん(沙喜容疑者)が犬の散歩に使うリードみたいなものを修くんの腰に巻きつけて、外を静かに散歩している姿を見たことが何度もあります。修くんは6歳で走り回ったりする年頃だから、交通事故を心配してのことかと思ったりもしたんですが、さすがに犬じゃあるまいし……」

「早く行け!」

 近隣住民のなかには、修くんが泣き叫びながら幼稚園に連れられて行く姿も目撃されていた。

「お母さんが修くんを幼稚園に送る姿を時々見かけましたけど、すごいんですよ。修くんの後ろから『早く行け!』って怒鳴って急き立てるのね。数十メートル離れてたって聞こえるんじゃないかってくらい大きな恐ろしい声。修くんは泣きながら歩いていってて……可哀そうだなと思っていました」(別の近隣女性)

「家族仲は良いものだと思っていた」と別の近隣住民の男性は言う。