「すごく変わっているというか、奇妙な家族というか……」

 第一報からすでに事件の異様さは漂っている。

母親への監禁、傷害容疑できょうだい4人が逮捕

 神戸市西区の自宅に母親の穂坂由美子さん(57)を監禁したほか、鉄パイプで殴ったとして、この家に同居する長女の穂坂沙喜容疑者(34)、次男の大地容疑者(32)、双子で次女の朝美容疑者(30)、朝華容疑者(30)の計4人のきょうだいが監禁と傷害の疑いで22日、兵庫県警に逮捕された。

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母親を監禁していた一家の自宅 Ⓒ文藝春秋

 一緒に暮らしているきょうだいが、みずからの母を監禁、鉄パイプで殴打してけがをさせる――それだけでも事件の奇矯さがうかがえるが、この家族の周囲ではさらに悲劇が起きる。

 きょうだい4人の逮捕後、一家の自宅に近い草むらからスーツケースに入った沙喜容疑者の一人息子・修くん(6)の遺体が発見されたのだ。

修くんの遺体発見現場近くには花が供えられていた Ⓒ文藝春秋

 母親への監禁・暴行と幼い子供の不審死。突如起こった異常な事件は、どのような経緯で発覚したのか。全国紙社会部記者が語る。

3世代6人の同居生活だった

「一家は2011年から現在の家に住んでいたことがわかっています。由美子さんはこれまでにも継続的に数十回は押し入れに外から鍵をかけられて監禁されていたようですが、4人がいない時を見計らい、自宅を脱出。その後、隣の垂水区の団地まで逃げ、車いすに乗ってたたずんでいる際に通行人に発見されます。『迷い人がいる』という通報を受け、警察がかけつけたのが今月20日のことです」