先月18日、東京目黒区の自宅で両親とともに倒れているのが見つかった歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者(本名・喜熨斗孝彦、47)を警視庁は、死亡した両親のうち母親の自殺を手助けしたとして自殺ほう助の疑いで逮捕した。
猿之助容疑者は取り調べに「3人で死んで生まれ変わろうと話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」という趣旨の説明をしており、警視庁は都内の病院に入院した本人から事情を聴くなど捜査を進めていた。
歌舞伎界の大スターをめぐる悲劇はなぜ起きてしまったのか。猿之助容疑者が“最愛の人”に残した遺書の中身などを詳報した当時の記事を再公開する。(初出:2023年5月19日。年齢、肩書は当時のまま)
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歌舞伎界きってのトップスターをめぐる前代未聞の事件が発生した。
歌舞伎役者の市川猿之助さん(47)の自宅で18日午前、本人と両親が倒れているのを猿之助さんの男性マネージャーが発見し、119番通報した。捜査関係者によれば「3人とも口から泡を吹いていた」という。
3人は病院に運ばれたが、父親で同じく歌舞伎役者の段四郎さん(76)と母親(75)はそれぞれ死亡が確認された。
猿之助さんは一命を取り留めたものの、本人の本名名義で書かれた“遺書”が見つかり、警視庁は猿之助さんが自殺を図ったとみて捜査を進めている。
映画を控えていたテレビ朝日が対応に追われる
猿之助さんをめぐっては、5月18日に「女性セブン」で、共演者へのパワハラ・セクハラや、コロナ禍でのパーティー開催などのスキャンダルが報じられたばかり。
この報道後に猿之助さんが一家心中を図った可能性も浮上している。映画やテレビドラマ、バラエティー番組などにも多数出演していた人気歌舞伎俳優だけに、関係者やファンの間に激震が走っている。
そんななか、天海祐希さん主演で、猿之助さんが内閣総理大臣の役で出演する人気ドラマシリーズの映画「劇場版 緊急取調室 THE FINAL」の公開を6月16日に控えたテレビ朝日も対応に追われているという。
「報道を受けて、局内には『映画の公開延期もやむなしか』というムードが漂っています。19日からTVerで配信予定だった「緊急取調室」関連の過去作品は配信中止になりました。映画公開前に単発ドラマも予定していたのですが、こちらも放送できるかわかりません。テレ朝は猿之助が出演していた22年10月の金曜ナイトドラマ『最初はパー』のDVD発売も7月に控えており、頭を悩ませているようです」(ドラマ関係者)
事件が発生した18日も、東京・明治座で開かれている明治座創業150周年記念「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の真っただ中。猿之助さんは今月3日から自身が座長を務めるこの公演に出演しており、28日まで公演される予定だった。
猿之助さんは直近のインスタグラムの投稿で、次のような感謝の気持ちをつづっていた。