「ドジャースは、大谷のメジャー移籍時にも当時DHがないナ・リーグながら、ヤンキースなどが書類選考で早々と落選する中で面談にこぎ着けた。大谷は高校時代、(ドラフト1位指名した)日本ハムからの二刀流育成プランに翻意するまでは、投手で育てる予定だったドジャースに行くつもりだった。ドジャースにとって大谷獲得は宿願。昨季からナ・リーグでもDHが採用され、二刀流継続に支障はない。豊富な資金をはじめ、受け入れ態勢は万全」(前出の代理人)
予測不能な大谷の契約
一方、大谷は過去の契約で金銭面を最重要視してこなかった。25歳を過ぎてからのMLB移籍なら200億円規模の契約を結べるとされながらも2017年オフ、最低保証の6000万円程度で、ポスティングシステムでエンゼルス入り。昨オフは年俸調停の権利を有しながらも越年せず、昨季中にあっさり“リーズナブル”とされた3000万ドルで契約した。
「大谷の契約では過去、予想をことごとく裏切られてきた。セオリーでは考えられないことを想定しないといけない。今回も好条件を提示した球団を選ぶとは限らない」(同前)
愛着のあるエンゼルスか、世界一を狙えるドジャースか
ただし、今回の契約に関しては従来になかった要素を加味する必要があるという。昨オフ、大谷は長年、バットやグラブ、スパイクなど用具の提供を受けてきたアシックスとの契約を終了した。グラブ、スパイクはニューバランス(NB)、バットはチャンドラーに切り替えた。
「アシックスとの契約打ち切りは驚きだった。NBとの契約は20倍の40億円規模とも推測されるが、アシックスは10年近くもサポートした会社で、大谷の合理的でドライになった考えが表れていると感じた。(来季所属先は)愛着があって環境を全く変えなくていいエンゼルスか、資金力があり、世界一を狙えるドジャースかという構図だが、アメリカナイズドされた大谷の一面がどこまで出てくるかで結論が決まるのかもしれない」(同前)
いずれにしても次期契約では、大谷の現在地が色濃く反映されたものになりそうだ。