米大リーグの今夏のトレード市場で最大の目玉であるエンゼルスの大谷翔平(28)は、このままなんの動きもなく8月1日の期限を迎える公算が大きくなっている。
チームがプレーオフ進出の可能性を残し、大谷は三冠王も射程に捉える。一部米メディアに「期限まで何が起きるか分からない」という見立てはあるものの、エンゼルスが身動きが取れないのが実情で、アート・モレノオーナーはトレードに否定的な見解を示した。日米のメディアの関心は、大谷がシーズン中にエンゼルスと再契約するかどうか、そしてFAになった場合の複数球団による争奪戦の行方に移りつつある。
大谷は来季の契約交渉を「代理人に任せている」と語るのみ。現時点で交渉可能な唯一の球団であるエンゼルスはトレード期限切れ後に慰留工作を本格化させるとみられている。
来季所属先はドジャース最有力?
エンゼルスは6月20、21日にともにLAをホームとするドジャースとの交流戦「フリーウエーシリーズ」を、本拠地アナハイムのエンゼルスタジアムで戦った。ドジャースは来季の大谷の所属先として、かねて有力候補に挙がるだけに、同シリーズへのメディアの注目度は例年以上だった。
スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は両軍の対戦にタイミングを合わせたように、約100人のMLB選手に対し行った、大谷の来季の所属先予想についてのアンケート結果を、6月20日付の記事に掲載した。半数以上の57・2%がドジャースと回答、2位は11・4%のエンゼルス、3位はパドレスとメッツでともに7・2%、5位は6・3%のヤンキースだった。
「妥当な数字。ドジャースは昨オフ、他選手との大きな契約を手控え、5億ドルとも6億ドルとも言われる大谷獲得のための資金を確保した。DH(指名打者)のJ・D・マルティネスと単年契約にとどめ、先発陣には空席がある。(投手兼DHの)二刀流の大谷のために椅子を空けているようにしか見えない。現時点で最有力はドジャース。エンゼルスもドジャースが一番のライバルと位置付けているようだ」(前出の代理人)