この職員が理事長に手をあげられたのは1度ではない。2度目の“暴行”の瞬間を収めた映像を文春オンラインは入手した。この時一体なにがあったのか。B氏が解説する。
「理事長室で頭を殴られた約1週間後です。校長の指示で、学校の業務をやっていた彼を見咎めた理事長が『転職活動以外やってはならんだろう』と言いながらこの職員の頭を殴ったんです」
理事長の怒鳴り声の音声を入手
労働条件に異議を唱えただけで、理事長の中でこの職員はたちまち“敵”となってしまったのか。なにより、理事長の一連の振る舞いが決してレアケースではないことこそ問題だ。
「ハリビ」の売りは、生徒の就職率の高さにもある。まさに経営の生命線。この一線を超えたとき、理事長の怒りは爆発する。就職をサポートする職員が、まだ内定をもらっていない生徒がいることを理事長に報告した際の音声を入手した。
「なんで決まらんかった。約束はちゃんと守れ!」
「答えは現地にある!」
「事実を伝えとるだけで、それは真実じゃない!」
「真実かどうか。それを確かめないのは犯罪、嘘つきだ!」
理事長のがなり声に立ちすくむ職員の姿が目に浮かぶ。叱責は50分にも及んだ。
ハラスメントの事実を学校に確認すると…
「トイレに立つと理事長が後を追っかけてきて、『甘えるな! 仕事せんなら帰れ』と言われた女性職員もいます。用を足しに席を外したのはほんの2、3分ですよ? あまりの環境に耐えかねて労働審判に訴え出た職員もいます。おかしな事例は挙げればきりがありません。でもそんな理事長の専横に嫌気が差して辞めて行った人とは、一切連絡を取らないよう強く命じられます」(学校関係者)
2020年以降、少なくとも7名の職員が退職代行を使って「ハリビ」を去っているという。理事長一族によるハラスメントとも横暴ともとれる一連の証言は事実なのか。学校に取材したところ、例のごとく学園長の古賀郁氏が応じた。
「個人にかかわることですので、お答えいたしかねます」
これまで古賀氏は「事実を報じてほしい」と文春オンラインの取材に対応してきたが、今回の件に関しては口が重い。「ハリビ」体質の根はかなり深そうだ。
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