しかし、その「気持ちいい」という感覚を間違えてしまうケースも結構あります。最も注意したいのは、「がまん」することで「自己満足」に陥ってしまうことです。
断言しますが、健康によいがまんなど絶対にありません。
たとえ、本人が望んでおこなっていても、体にとってがまんとは、心身を苦しめるストレスに過ぎないのです。
具体的にいえば、水風呂のためにサウナの上段で熱いのをがまんする、「ととのい」のために冷た過ぎると感じる水風呂にがまんして入る、サウナ後のビールのために水分補給をせずにのどの渇きをがまんする……などは、すべてNGなのです。
サウナだけではありません。ウォーキングも然り、ダイエットも然りです。
日常生活の中でおこなう習慣に、苦しみや忍耐がともなってはいけないのです。がまんしなければできないことは、体にとっては単なるストレスに過ぎません。
日に日に体調がよくなっていく実感を得る方法
わかりやすく解説するために「運動」を例に挙げましょう。
同じ運動であっても、「健康のためにおこなう運動」と「アスリートが強くなるためにおこなう運動」とは、まったく別物です。
アスリートがおこなう運動は、体への負荷が大きく、医学的にも理にかなったケアをしないとダメージを負う可能性があります。肉体的なダメージだけでなく、つらいトレーニングによって、精神的ストレスを受けることも少なくないはずです。
つまり、特定のスポーツをおこなう能力が高くなっても、健康的にはマイナスになる可能性が高いと推測されます。がまんを強いられるサウナ利用もこれと同じで、健康面から考えればマイナスになるといえるでしょう。
私自身、サウナの習慣を始めた頃は、1回につき3分間入るのが限界でした。かつての私は、サウナに入って3分を過ぎると「気持ちいい」が「熱くて苦しい」に変わってしまう体質だったのです。
しかし、無理なく毎日続けているうちに、サウナの中で「気持ちいい」時間が長くなっていき、現在の1回7分間のルーティンにたどり着いたわけです。