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BLドラマがきっかけで「タイ制服」に火がついた

 筆者が初めてタイの制服を着る中国人を見たのは、2023年4月、プーケットを旅する友人の朋友圈(SNS微信の友だち限定で投稿を見せる機能)での投稿だ。

タイ風のJK制服の広告。長沙のショッピングモールにて(2023年2月)

 タイの制服人気は、日本でも盛り上がりを見せる、タイBLドラマの流行に端を発していると言われている。特にプーケットを舞台に高校生の恋愛を描いた2020年配信のドラマ『I Told Sunset About You』は中国での人気が飛び抜けて高く、コロナ禍が明けて以降多くのファンたちがロケ地巡りや、いわゆる聖地巡礼に勤しんでいる。実際友人も聖地巡礼をしながらタイの制服を着ていた。

 その流れの一環で、中国の若者の間で、比較的ビザが取りやすく、航空券も手頃なタイへ旅行に行き、現地学生の制服を着て観光し写真を残すことが流行。「京都観光で着物」のタイ版と想像してもらうといい。現地の制服店で購入する方法やコツを詳しく紹介する記事が、中国の大人気口コミアプリ・REDには多く残されている。タイ現地でも急な需要の増加に伴い、制服店や刺繍店が大忙しであると話題だ。

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プーケットにてバンコクで手に入れた制服を着用し撮影。友人提供

 最近では、卒業写真で着る服としてタイの制服を選ぶ人も続出している。中国では、特に大学卒業時、青春の1ページを記録するためにプロのカメラマンを雇って凝った卒業写真を撮影することが多い。