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「最低でもGMARCHには行きたい」「Fランに行く意味がわからない」…予備校講師が指摘する“大学名で人をジャッジする”人たちの“恐るべき勘違い”

2023/07/22

genre : ライフ, 社会, 教育

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「高学歴の人は、仕事に取り組む時でも努力の幅が違う」は本当か

 一方で、こんな意見も耳にした。友人の経営者の弁である。

「高学歴の人は、仕事に取り組む時でも努力の幅が違う。高学歴の人はそうでない人に比べて『努力した』の基準が高くて、成果が出なければ『努力不足』だと思っていることが多いけれど、高学歴ではない人は『自分は頑張ったのに評価されない』と考えがち」だと言うのである。

 言いたいことはよくわかる。いわゆる難関大学を目指し、合格していった受験生や合格には届かなかったものの最後まで努力し続けた受験生を見ていると「これだけ努力し続けられるのか」と感じさせられることもしばしばである。

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 しかし、これもやはりどの大学を卒業したかというよりも、どの大学を目指してどれだけ本人が努力できたかという点に左右される。あくまで「難関大学を本気で目指した経験を持つ学生は努力し続けられる可能性が高い」というだけのことだろう。

 もちろん、企業としては本人の能力や伸び代のわかりやすい指標として「学歴」というのを用いることがあるのは理解できる。ただ、先に見た通り偏差値というのは曖昧なものであり、採用側のイメージと現在の大学入学難度が一致しているとは限らない。「この大学は難関大学」ならまだしも、「この大学は簡単だ」と杓子定規に考えるのは注意が必要である。