車高が低いほどステータス、不便を乗り越えてこそ車好き……そんなクレイジーな世界に生きる者たちがいる。地を這う異形のカスタムカーから、見える景色は一体どんなものなのか?
今回は、マツダ・AZワゴン(スズキ・ワゴンRのOEM)をサーキット仕様にカスタムする金井さんをご紹介。
突き詰めた独自路線、しかし一抹の寂しさも
小さい頃からスポーツカーが好きで、免許を取ってからはずっとスカイラインやロードスターなんかに乗って、ちょくちょくサーキットにも通っていました。親父が昔から車好きで、アリストでサーキットを走るのをいつも見ていたので、自分も自然とそういう風になっていましたね。
それから年齢を重ねるごとに走る機会も減っていき、「そろそろ落ち着く頃合いかな」と、しばらく前にファミリアに乗り替えたんです。でもやっぱり、乗っているとジワジワと弄りたい気持ちが大きくなっていって。それで、今度は走り目的ではなく、ドレスアップ目的で弄ってみようと思ったんですよね。
ただ、ファミリアをシャコタンにするのはもったいない気がして、弄るためだけにこのAZワゴンを買ったんですよ。せっかく弄るからには、誰もやっていないようなカスタムがしたくて、「普通の軽にサーキットのエッセンスを取り入れよう」という方針で弄りはじめました。
やるからには徹底的にやろうと、運転席以外のシートを外してロールケージを組んで。もはやこの車はイベントにしか使っていませんし、とにかくスパルタンな雰囲気を突き詰めていきました。
でも、基本的に作業は全部自分でやっているので、周りに比べるとお金は全然かかっていないと思います。たぶん改造費は100万円もいってないんじゃないかな。もともと整備士をしていたので、作業は全然苦じゃないんですよね。
ここまでやって、自分としては及第点だと思っていますが、正直ちょっと残念なこともあるんですよね。イベントに出すと、ジャンルが謎だからなのか、なかなか他のオーナーの方から話しかけてもらえなくて。いつもなにか、孤島にいるような気持ちになっています。
それでもまぁ、やりきった感覚はあるので、この車はもう近いうちに手放そうかなと。次はファミリアにお金をかけて、キレイに仕上げていきたいですね。今度はシートも取らずに、内装を張り替えたり、オーディオを組んだりして、落ち着いた仕様で長く乗っていけたらいいなと思います。
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