――美川さんに対しても、出会った当初から「ケンちゃん」と呼ばれていたのでしょうか。
神田 ケンちゃんとは私が19歳のときに『なるほど!ザ・ワールド』で出会ったんですけど、話をしていてこの人の感覚好きだなって思いました。その時に美川さんから「ケンちゃんって呼んで」って言われたんですよね。それからずっと「ケンちゃん」です。
――たぶん、芸能界でもそう言える人が少なそうな感じもしますが…?
神田 だからその後、デヴィ夫人がニューヨークから帰ってきたとき、デヴィ夫人とケンちゃんは仲良かったので、私が「ケンちゃん」って呼んでる姿を見て、「あら、こんな若い子が」って思われたようです。夫人はケンちゃんのこと、「美川さん」って呼ぶんですよ。「ケンちゃんって、ちょっとそんなこと言わせちゃダメよ」って。ケンちゃんは「いいのよあんた。私がケンちゃんって呼んでって言ったんだから」って夫人に言ってましたね。
「世界の一流ブランドを見たり着たり持ってたりするから、わかるんです」
――テレビで活躍されながら、ストッキングやウエディングドレスのデザインもされていきました。
神田 デザインをするようになったきっかけは、はじめにグンゼさんのストッキングのコマーシャルを私がやらせてもらったんです。私はそのときのトレンドとか、自分が気に入った服を着ていないと気が済まないタイプの人間だったので、いつもお洒落な恰好をしていたんですね。
イタリアとかヨーロッパにもよく行っていて、柄のストッキングをたくさん買ったり、仕事現場にも穿いて行ったりして。そこでグンゼさんが、あ、この子いつもお洒落だから…って、「ストッキングのアドバイスをもらえませんか?」って。いくつかの足形とストッキングを持って来て、意見を聞かせてほしいと。
正直それらの柄ストッキングは、私の感性とはちょっと違うなって思ったので、たとえばこの花柄の部分をもっとこうした方がいいですよとか。同じストライプでも太い細いの強弱をつけたり、こういう柄だともっと素敵になりますよって描いて、教えてあげたんです。そしたらデザインもしてほしいと言われました。
長い歴史のある会社さんで、それまでナチュラルな感じのストッキングが多かった時代に。Tuche(トゥシェ)というブランドから「うのコレクション」として毎シーズン出していこうという話になっていったんです。CM契約からスタートしたグンゼさんとのお仕事でしたが、そこからデザイナーとしてのお仕事が始まりました。
――ストッキングはかなり売れましたよね。