2008年にスタートした「ふるさと納税」は、財政問題を抱える地方自治体を他の地域に住む人々が「寄付」というかたちで支援し、返礼品を受け取る制度だ。

 ここでは『ふるさと納税読本2023』を一部抜粋して紹介。ふるさと納税をするときに注意すべき心得を、SNSで人気のファイナンシャルプランナー・小林亮平さんが、初心者にわかりやすく伝授する。(全2回の1回目/続きを読む)

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ふるさと納税は家計の強い味方になる

 ふるさと納税のやり方は思ったより簡単です。ふるさと納税サイトを選んで会員登録し、好きな返礼品を注文して決済したら、品物を受け取り控除申請するだけです。

「納税」という名称ですが、自治体(都道府県や市区町村)に「寄付」して返礼品をもらうという総務省が設けた制度で、出身地に限らずどの自治体にも寄付できます。

 寄付額から2000円を差し引いた額が、翌年の住民税・所得税から控除されるため、税金が安くなるわけではなく税金の前払いとして寄付を行うということです。控除上限内なら実質2000円で様々な返礼品がもらえるというお得な制度です。

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 たとえば寄付額が1万円とすると、2000円を引いた8000円が、翌年に納める住民税・所得税から控除されます。

 返礼品の金額が実際の商品価格ではなく、返礼品の還元率(寄付に対するリターンの割合)は現在30%までと決まっています。1万円の寄付なら3000円相当の返礼品がもらえるということです。

 控除を受けるには確定申告が必要ですが、今は給与所得者向けに「ワンストップ特例制度」があり、確定申告をしないサラリーマンには手続きが簡素化されました。

 都会に集中する税金を地方に還元し、出身地や応援したい地域に寄付して地方を創生することを目標としており、利用者数は年々増えて740万人を超えました。

好きな返礼品を選ぶところからスタートする

 私は毎年ふるさと納税で返礼品を受け取っていますが、具体的にどうやっているのかを紹介します。

 まずはふるさと納税サイトを選びます。「ふるなび」「ふるさとチョイス」「さとふる」など数々ありますが、私はポイント還元率が高い「楽天ふるさと納税」を利用しています。

 手順はつぎの通りです。