実際に会ってみると…
女性用風俗の体験を機に、友梨さんは夫以外の男性との出会いを求めはじめた。とはいえ、通常のマッチングサービスでは、相手の詳細なプロフィールがわからないうえ、こちらが既婚者だとバレたときに脅迫されてしまう可能性もある。そんなときに見つけたのが、登録者に身分証の提出が義務付けられた既婚者同士のマッチングサイトだった。
「既婚者同士なら、お互いに家族を壊さないために秘密を守りあって楽しめると思ったんです。まずはサイトを通じて何人かとメッセージのやりとりをして、気が合いそうだなと思った方と会いました。その日は食事のみのデートで終わりましたが、その方は歩いているときに何も言わずに道路側を歩いてくれたり、『今度はお店、どこ行きたい?』と私の意見をとにかく聞いてくれて。人としてちゃんと向き合ってもらえている感覚がすごくうれしかったのを覚えています」
その後、その男性とは数回のデートを重ね、合意のうえでホテルにも行く仲になった。
「夫との自分本位なセックスとはまったく違うもので、服を脱ぐ前からスキンシップを丁寧にしてくれたり、正常位のときに私の頭にずっと手を添えてくれたり……。どうしたら私が喜ぶかを真剣に考えてくれるのが伝わってきて、性の対象としてだけでなく女性として大切に扱ってもらえることへの高揚感がありました」
その男性との関係は、出会いから3年経ったいまでも良好だと話す友梨さん。だが、既婚者マッチングサービスで出会うすべての男性との関係を長続きさせるつもりはまったくないそうだ。
「なかには、『妻以外の女性を抱きたい』という性欲中心の考えで利用している人がいるのも事実。ただ私は性欲よりも、より内面が面白い人と出会いたいという思いが次第に増していったので、体目的だと分かればその後は連絡を断つようになりました。なかには会社経営者など、これまで接点を持つことのなかった人と出会えることもあるので、人生の幅が広がっていく感覚が楽しかったんです」