既婚者同士ということもあり、相手と会うのはもっぱら子どもも夫も家を空けている平日の昼間。信頼できる仲になった男性に人生や家族のことを相談したり、知人の既婚者を集めて歓談するなど、既婚者同士のつながりを満喫している様子だ。
「これまで数十人とマッチングしてデートを重ねてきましたが、大きなトラブルになったことはないんです。ただ最低限、どれだけ仲良くなってもお互いに置き場に困るプレゼントはしないようにしたり、もし1人の相手に本気になってしまいそうになったら、ほかの何人かの既婚者男性と同時に会うことで、気持ちを分散させたりと、意識的に自制をしています。私のなかの合言葉は、『依存しない、期待しない、干渉しない』ですね」
“夫と正反対の人”に惹かれ、夫婦関係は…
とはいえ3年間も既婚者とのマッチングを続けていて、実生活に支障が出ないものなのだろうか。
「夫にはバレていません。でも、体には知らぬ間に変化があったようで、『最近、肌艶よくない?』『なんか色っぽくなった?』なんて夫に指摘されたときはドキッとしました。もちろん子どもにバレるのが一番怖いので、変な噂が立たないようにカジュアルな仕事着で家を出て、待ち合わせの駅のトイレに行ってから勝負服に着替えたりしてましたね。とにかく、いまの家族も非現実的な出会いも両方が大切なので、理性が利かなくなって泥沼化することだけは絶対に避けるつもりです」
マッチングサービスを利用するなかで、友梨さんにはある気づきがあった。
「サービスで数十人の男性と会ってきましたが、好印象を抱くのはいつも、亭主関白な夫とは正反対の性格の人ばかり。なかには『あのホテルの最上階のお店の予約とっておいたよ』なんて人もいたけど、そこに私の意見を聞こうとする気はない。それでは夫とやっていることは一緒なので、ときめくことはありませんでした」
また、自分自身の人生観とも向き合う機会になったという。
「私はやっぱり、いろんな人と出会って、新しいことにチャレンジする気持ちを忘れたくないタイプなんだって思えたんです。実は、数年まえからぼんやりと『いつか夫と離れられないかな……』と想像して介護の資格を取得し、細々と働きはじめていたんです。
このサービスで出会った既婚男性たちの行動力や前向きさを目の当たりにすると、私ももっとがんばりたいって思えた。それからは、より給与のいい介護の現場に転職したり、自分から管理職を志願したりと、前よりも活動的になれた気がします」