加藤しのぶさんの遺体が秋田市内の空き地で見つかった事件で起訴されている元暴力団員の井上大輔被告(48)、元妻の土岐菜夏容疑者(34)らが保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕された。

 加藤さんの遺体からは覚醒剤の成分も検出されているが、一体どのようにして死に至ってしまったのか。真相解明の一助になることを願い、当時の記事を再公開する(初出2023年6月8日、肩書き、年齢等は当時のまま)。

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 先月、秋田県秋田市の雑木林で、地中から木箱に入った女性の遺体が発見された事件。警視庁は7日、元暴力団員の井上大輔容疑者(48)と元妻の土岐菜夏容疑者(34)ら5人を死体遺棄の疑いで逮捕した。

 遺体で見つかったのは、2021年6月から行方がわからなくなっていた、風俗店従業員で当時48歳の加藤しのぶさんだった。加藤さんをめぐっては、息子が自身のTwitterや人気YouTuberの動画などで情報提供を呼びかけ、翌7月には警視庁に行方不明者届を提出していた。

 一方、井上容疑者は“クスリ”の常習者で、加藤さんが亡くなった理由も薬物の使用が疑われている。そして、死体遺棄に一緒に加わったとみられる土岐容疑者はそんな“ヤク中”の元夫に寛容だったという。土岐容疑者が井上容疑者に惚れ込んだ意外な理由とは何か――。2人の素顔に迫る。(前回を読む)

逮捕された井上容疑者(左)と土岐容疑者 ©️共同通信社

遺体は7月に川口市のコンテナに隠され、9月ごろ秋田に運ばれたか…

 まずは事件を振り返っておこう。警視庁担当記者が解説する。

「今年の5月9日に、秋田市の雑木林の地中から木箱に入った女性の遺体が発見されました。この遺体がのちに加藤さんだと特定されました。埼玉や東京に拠点がある熟女系デリヘルで働くために上京していた加藤さんは、2021年の6月末に埼玉県川口市内のホテルで井上容疑者と面会したのを最後に行方不明になっていました。

 警視庁は加藤さんがホテルの室内で井上容疑者となんらかの薬物を摂取し、死亡したとみています。遺体は7月ごろには川口市のコンテナに隠されていましたが、9月ごろに秋田まで運んで埋めたとみられます」

加藤さんの息子が作成した捜索願い(息子のTwitterより)

 井上容疑者と土岐容疑者のほかに逮捕されたのは、菅原和宏容疑者(44)、飯田翔容疑者(29)と下田陸朗容疑者(26)。3人は、井上容疑者が当時働いていた引っ越し業者の同僚だという。

「コンテナは菅原容疑者の会社名義で7月上旬ごろに借りていたようです。秋田へは井上容疑者がレンタカーのトラックで運び、その後、下田容疑者をのぞく3人と秋田市内で合流したとみられています。警視庁はそれぞれの役割を慎重に捜査しています」(同前)

 加藤さんの遺体が埋められていた土地の登記によると、土岐容疑者の名義で購入されたのは、加藤さんが行方不明になった半年後の12月のこと。秋田が現場となった背景には、土岐容疑者が関係していたとみられる。