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みかじめ料5000万円、用心棒代600万円…黒幕ヤクザをマネロンで逮捕した警視庁が“鼻高々”になる理由

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 東京・新宿の歌舞伎町を拠点にしたネットカジノからみかじめ料などを取っていたとして、警視庁暴力団対策課は組織犯罪処罰法違反容疑で、指定暴力団住吉会の三次団体「大昇会」幹部、金井忍容疑者(50)ら3人を逮捕した。

「金井容疑者は人気ネットカジノ『SEXY』からみかじめ料約5000万円、用心棒代約600万円を受け取った疑いが持たれています。容疑者が所属する『大昇会』は『歌舞伎町の薬局』と呼ばれるほど違法薬物の売買でも有名。同町を拠点とする団体だけに、カジノも有力な資金源としていたようです」(警視庁担当記者)

逮捕された金井忍容疑者(日テレNEWSより)

 明治維新の前から任侠道と賭博は切っても切れない縁で結ばれているだけに、一見、何の変哲もない事件のように映るが、今回、警視庁は鼻高々だという。

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「みかじめ料の検挙にはこれまで恐喝容疑が多用されてきましたが、今回適用されたのは、マネーロンダリング(資金洗浄)関連の犯罪に使われる『犯罪収益の収受容疑』。恐喝と違い、店側が納得ずくでみかじめ料を払っていても罪に問えるのがミソです。マネロンに関しては海外からたびたび『日本の対応は手ぬるい』と批判を受けていた。今回、暴力団にまで捜査の手を伸ばせた点で、内部からの評価も高いのです」(同前)