大場友子さん(82)と20歳の愛犬「トッティ」の1日は朝3時、トッティが目を覚ますところから始まる。

「同じ布団でトッティは私の左側に寝てるんです。犬と一緒の布団で寝るなんて以前の私だったら考えられないことですけど。で、トッティが起きたら気配でわかります。おしっこかなと思って、薄目をあけて見るとスタンドの横に座って、じっと私の顔を見ているんです。たまに“起きてるのかな”という感じで、手をこうやってきたりするんですけど、私は起きないんです(笑)。携帯抱えて布団のなかに潜り込んで4時までは寝るんです」

足のマッサージは欠かさない

超長寿の秘訣はあの野菜

 そして4時に大場さんは起床、トッティの朝ごはんを作る。食餌は基本的にドッグフードだが、トッティが毎日欠かさず食べる“スペシャルメニュー”があるという。

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「キャベツが大好物なんです。6年ほど前、台所仕事で床に落ちたキャベツの切れ端をトッティがムシャムシャ食べたんで、それから与えるようになりました。以前は生のままあげてたんですが、さすがにこの年になると内臓も弱りますから、今はさっとお湯に通したものをね。キャベツを食べるようになってから、ものすごく体調が良くなりました。うんちも1日1回、とてもいいうんちをします」

 朝4時にご飯を食べてしばらくすると、トッティはトイレシートのある部屋まで歩いていき、おしっこをする。戻ってきたら、トイレができたご褒美におやつをあげ、シートを取り替える。昨年まではおしっこは家の外でしかしなかったトッティだが、トイレシートの使い方を教えると「ご褒美欲しさで(笑)」すぐにできるようになったという。(全2回の2回目/前編から続く

長寿の秘訣は毎食のキャベツ

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亡くなった隣人の写真をじっと見て

 朝食と排泄を済ましたトッティは「二度寝」した後、8時頃に起き、家のまわりを散歩したりベランダに出て外の空気を愉しんだり、おやつを貰いながら家の中で自由に過ごす。お昼ごはんを食べたら、13時半から15時ごろまで昼寝をし、目覚めたらまた「自由時間」。以前はベランダの仕切り板の隙間から、隣家に冒険に出掛けることもあった。

「ある時期から食べる量は変わらないのにトッティが急に太り始めたことがあって、どうしたんだろう、と(笑)。よくよく聞いたら、お隣に住んでた老夫婦がトッティがそうやって遊びにいくとおやつとしてカンパンを用意してくださってたそうなんですね」

 それからは隙間を塞いだというが、その家の奥さんが亡くなった後、大場さんが洗濯物を干している間に、いつの間にかトッティがまたお隣を訪問したことがあった。

「ちょっとした隙間から入ったみたいで、お隣のご主人の『あれ、トッティちゃんどこから来たの?』という声で気付きました。『ごめんなさいね』と謝ったら、ご主人が『トッティちゃん、サイドボードの上に飾ってある家内の写真をじっと見てたんだよ』と仰って……。やっぱり犬はわかっているんですね」