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あらゆる薬物を“キメセク”で使用

「ニドラは大麻を毎日のように使用していました。MDMAやコカインのほか、覚醒剤についても少なくない頻度で使用していました。これらの多くは女性との“キメセク”で使用していたんです。さらに睡眠薬のオーバードーズもしており、精神的におかしな状態がここしばらく続いていました。

 周囲がクスリをやめるように言っても『俺はラッパーだから』『27クラブ(刹那的な生活をし、27歳で死亡した海外の著名音楽家らの総称)に入る』などと言って聞き入れなかった。逮捕直前には四六時中、薬物の影響化にあり、常に妄想や妄言に取りつかれている状態だった。逮捕されてクスリの影響下から強制的に抜けることができたのは、彼にとっては良いことだったと思います。あのままだったら確実に“破滅”していましたから」

覚醒剤を使用すると興奮から攻撃的になることもあったため、大量の睡眠薬を服用して無理やり眠ることもあったという(知人提供動画より)

 今回の裁判で、最終的にニドラ被告が罪に問われたのは、「元交際相手の女性宅を訪れた際に、覚醒剤を所持していたこと」「連行後の尿検査から陽性反応が出たこと」による覚醒剤の使用容疑だった。裁判を傍聴した男性が裁判でのニドラの様子を明かす。

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「26日の初公判の日も、30日の判決の日も、彼はグレーっぽいジャージにスウェット姿でした。髪はさらさらの黒髪ロングで、あの細身なので、完全に女性に見えた。審理の冒頭に行われる人定質問では、名前や住所について淡々と答えていました。起訴状が読み上げられると『はい』とだけ言っていました。

 検察や弁護側の本人への質問は非常に短く、裁判官がニドラに色々と尋問していました」

法廷でのニドラ被告の態度はまさに「ふてぶてしい」という言葉がピッタリだったという。

裁判官 なぜ覚醒剤を始めたのか?

被告 それは答えられません。

裁判官 いつから使用しているのか?

被告 よく覚えていません。

 ニドラ被告はほとんどの質問に対して、この2つの“答弁”を繰り返したという。前出の男性は、被告の「しゃべり方」に大きな違和感を持ったという。

「クスリは一切やっていないはずなのに、まったく呂律が回っていない」

覚せい剤使用後の濱口被告。胡乱な目つきになり、言葉にならない言葉を話していた(知人提供動画より)

「とにかく低い声でモソモソと話すから聞き取りにくいんです。逮捕されてから2カ月以上が経ちますから、その間クスリは一切やっていないはずなのに、まったく呂律が回っていなかった。

 これは覚醒剤に限らず、様々な薬物に依存している、いわゆる“ちゃんぽん”をやっている人特有の症状なんです。人により差はありますが数年経ってもはっきりと言葉をしゃべることがままならない人もいますね。本人も自分がそのような状況にあることに気付いていないんじゃないですかね」