1ページ目から読む
2/2ページ目

成績は振るわなかったが“超良血馬”扱いされた理由

 ただ、ブラックタイドにとって幸いだったのは、ディープインパクトが圧倒的な成績を残し、一足先に種牡馬入りしていたことだった。

弟のディープインパクトはG1を7勝した超名馬 ©文藝春秋

 自身が手にした重賞タイトルは一つでも、このとき超良血馬に“なっていた”ブラックタイドは、めでたく種牡馬入り。ディープインパクトの代替種牡馬としても重用され、初年度から150頭の種付けを行うと、その中からテイエムイナズマがデイリー杯2歳Sを勝利。2012年のファーストシーズンサイアーランキングで、1位を獲得して見せたのだ。

 そして、キタサンブラックが誕生したのもこの年。同馬は、父がなし得なかったGI制覇はもとより、当時の最多タイとなる芝のGIを7勝。獲得賞金も、ディープインパクトやその産駒を上回る当時の歴代最高で、2023年4月現在でも2位の記録である。

ADVERTISEMENT

 また、キタサンブラックは顕彰馬にも選出されているが、ディープインパクト産駒のジェンティルドンナと合わせ、兄弟で顕彰馬を送り出した種牡馬はいない。この快挙を達成する兄弟は、今後、現われないかもしれない。