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自力で上がれなくなるブロックの隙間

 図2は、橋脚のすぐ下にあるブロックで人工構造物の一例を示します。川の流れを調整するために作られた床固(とこがため)などの堰堤は浅くなっていて如何にも安全そうです。子どもばかりでなく大人でも歩いて対岸に渡れると思い込みます。

図2(長岡技術科学大学 犬飼直之准教授提供)

 ところが、こういったブロックは見た目に隙間がないようですが、現場に行くと隙間だらけです。中には人の背丈ほどに掘られた隙間もあって、そこでは流れが急です。そこは比較的深くて垂直に落ちると自力で上がれなくなります。人が這い上がるためには水面よりの高さがせいぜい10cmまで。加えて、這い上がるためには水面に一定の広さがないとダメです。ブロックの隙間は狭く、そのような広さがありません。

 ブロックの下流側にあたる川底は掘られています。洪水になるたびに川底が掘られます。大人の背丈以上に掘られているのが普通です。ブロック上からサンダルなどを流してしまうとついつい追いかけてしまい、下流側のこのような深みに転落してしまいます。子どもばかりでなく、釣り竿を流された大人でもやってしまいます。

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おいで、おいで現象にやられないために

 危険だとわかっていても、せっかく河原まで来たのですから、水に少しは浸かりたいものです。そういう時には遊ぶ深さはぜひ膝下までにしましょう。これは子どもも大人も同じです。膝下までであれば、間違って流されても腰を水底につければ(座れば)流されることはありません。川底で滑っても安心です。

 そして、お子さま連れの場合にはぜひ一緒に川の水の中に入ってください。そして一緒に遊んでください。絶対にお子さま一人で先に川に入らせないようにしましょう。

★水難事故の誘発原因
1.河原に到着して、すぐに走り飛び込みし、深みにはまる
2.浮き具をつけて流された子供を追いかけ、力尽き沈む
3.人工構造物の近くの深みにはまる

★水難事故の防止方法
 川で遊ぶ時には家族で「膝下の水深まで」と確認しあいます。そうすれば深さを確認せずにしてしまう走り飛込みを防げますし、浮き具をつけていても流されることがありません。