夏の定番レジャーに君臨する“プール”。全国各地にあるレジャープール施設に行けば、25mプールのみならず、人工的に波を発生させる「波のプール」や、水槽内を水が流れる「流水プール」、そして流れる水に身を任せるすべり台「ウォータースライダー」など、水に関わるさまざまなアトラクションを楽しむことができる。

 プールで涼を取りながら、レジャーも満喫できる一挙両得の施設だが、利用中に身の危険を感じた経験がある人もいるだろう。そこで今回は、プールにまつわる危険な体験談を紹介しよう。

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走り出した息子を、プールサイドで見失い…

 親子連れで賑わう夏休みのプール。相田智之さん(仮名)は、数年前に当時5歳の我が子と行ったプールでヒヤリ体験をしたという。

「そこは、屋内に子ども用のプールがあり、外にはスライダーと流れるプールが設けられたプール施設でした。温泉に併設されたプールで、敷地はそれほど広くありませんが、家族連れにはちょうどいいサイズ感なので、毎年利用している場所です」

©️iStock.com

 相田さん親子は、脱衣所で水着に着替えてプールサイドに向かった。すると、プールを前にしてテンションが上がった息子さんが、一目散に走り出したという。

「その際『走っちゃダメだよ』と声をかけながら、息子から一瞬目を離してしまったんです。すぐに彼がいたはずの場所を見たのですが、そこには誰もいませんでした。呼びかけても返事がなくて、完全に見失ってしまい、かなり焦りましたね」

 相田さんが必死に探していると、子ども用の浅いプールの中で小学生に抱きかかえられている我が子の姿が目に入った。

「どうやら走り出した勢いでプールに飛び込み、水の中に頭まですっぽり入って溺れてしまったようでした。その一連の様子を近くで見ていた少年が、息子を抱き上げてくれたんです。子ども用のプールでも油断してはいけない、と身を以て感じましたね」

 幸い息子さんは大事に至らず、その後も水遊びを楽しんだというが、一方の相田さんは奥さんに烈火のごとく叱られたという。