人気の 「流れるプール」は危険スポットにもなる?
大学時代に、市民プールで監視員のアルバイトをしていた田中裕太さん(仮名)は、仕事中に人命救助を行った経験を話してくれた。その日彼は、監視用の高いイスに座って、流れるプールの監視を担当していたという。
「いくつかあるプールの中でも流れるプールは人気が高く、いつも多くの来場客でごった返していました。中に入っていると周囲の状況はよくわからないと思いますが、上から見ていると、危険な遊び方をしている人は目に入るんですよね」
そのとき、田中さんが注視していたのは2人の女性客とその子ども。ママ友らしき女性たちが、2歳前後の幼児を載せた浮き輪を引っ張りながら、流れるプールの中を漂っていたという。
「ふたりともおしゃべりに夢中になっていたので『危ないな』と思って見ていたんです。しばらくすると、子どもが浮き輪の穴から水の中に落ちる瞬間が見えたので、すぐにプールに飛び込みました。早めに救助できたので事なきを得ましたが、子どもが落ちたときはお母さんたちも気付いていなくて。もしも自分が見ていなかったら、どうなっていたかわからないですよね……」
田中さんは「小さな子がプールにいるときは、より注意深く見るようにしていました」と当時を振り返った。
混みすぎていて、水面に顔が出せない
実際に幼少期にプールで危険にさらされたときの記憶が、大人になった今も鮮明に残っている、という声も寄せられた。
「幼稚園生の頃、流れるプールで潜水しながら泳いでいました。息継ぎをするために顔を出そうとしたのですが、頭の上が人で埋め尽くされていて、水面に顔が出せなくなってしまったんです。
かなりギリギリの状況でしたが、プールサイド近くのわずかな隙間を見つけて、やっと呼吸ができました。今思うと、無理にでも顔を上げれば問題なかったのですが、少しパニックになっていたように思います」(20代・男性)
「4歳の頃に、旅行先のホテルのプールで溺れかけました。何の変哲もない25mプールに“台座”で子どもが遊ぶ用の浅瀬が作られていたのですが、そこから足を滑らせて深いところに落ちてしまったんです。近くに親も親戚もいたのですが、静かに溺れていたので気付いている様子もなくて……。
当然、泳げないので、必死にもがいて自力で台座に這い上がりました。幼いながらに怖かったですね」(30代・女性)