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 俳優としてはハリウッド進出後も、日本でも引き続き活躍を見せている。三谷幸喜の作品にも、その後も映画『ギャラクシー街道』や舞台『日本の歴史』『ショウ・マスト・ゴー・オン』で起用され、また昨年のNHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では木曽義仲の愛妾にして武勇でも知られる巴御前を演じた。

 秋元扮する巴御前は、メキシコの画家フリーダ・カーロを思い起こさせる眉毛のつながった姿で登場し、身なりにかまわない情熱的なキャラクターを印象づけた。巴はその後、鎌倉方との戦いに敗れた義仲とともに防戦した末に別れ、一人で逃亡していたところを敵の和田義盛に見つかり、鎌倉へ連れていかれるという数奇な運命をたどる。

私生活では、ラッパーのPUNPEEと結婚

 私生活では2020年、ラッパーのPUNPEEと結婚した。結婚直後の対談では、《私は子どもの頃に父親が無職だったこともあって、男性や、誰かに幸せにしてもらいたいという感覚がない》として、それゆえ《このままずっと夫と同じ方向を向いていたいなとは思っていますが、依存はしたくないし、仕事も頑張っていつまでも自立した女性でいたいなと》と抱負を語っている(「with online」2020年11月21日配信)。このあたり、『鎌倉殿の13人』で演じた巴が、後半生では和田義盛と結ばれ、穏やかにすごしながらも、自立した一人の女性であることを貫き通した姿と重なる。

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秋元才加と結婚したラッパーのPUNPEE氏 『Quick Japan 147』

 三谷幸喜からは『国民の映画』に出演した際、『みにくいアヒルの子』の絵本を贈られた。「君はほかとは違う。その個性が必ず花開くときが来る」というメッセージが込められたプレゼントに彼女は喜び、励まされた。絵本は未開封のまま、大きな仕事があるときに飾っているという(『anan』前掲号)。

 いまから3年前、秋元はAKBから卒業を決めたときを振り返り、《私は、いつまでも若くてカワイイ女の子を良しとするのではなく、年齢とともに知識や教養を身につけて「30代は楽しいよ、40代はもっと素敵だよ」って言える女性になりたかったんです。そのために、25歳からの人生は自分で決めて、自分が理想とするカッコイイ女性になっていこうって》と話していた(『婦人公論』前掲号)。

 そんな彼女からすれば、35歳はまだまだ通過点にすぎないだろう。本来の個性に加えて、新たな経験や知識を身につけた彼女が、これからどんな変貌を遂げていくのか、楽しみだ。