メン獄 あいつ何と戦っているんだろうなって、周りに理解されないですからね。最初僕は「会議室取れ」って言われても訳がわからなかった。
樋口 目的に応じた適正な場所の塩梅がわからない(笑)。プロジェクター完備の無駄にでっかい会議室取っちゃったりして。
メン獄 わかります。ライブでもやるの?みたいな大部屋おさえて偉い人に怒られたり(笑)。これはコンサル会社に特有の文化だけど、社内の会議室借りるのにもお金がかかるでしょう。プロジェクトの予算からきっちり引かれるから、無駄をやらかすとこの金で飲みにいけたじゃん!みたいなことになる。
お客さんの前で一歩も引かないメン獄
樋口 日程調整の順番とかも最初わからないですよね。偉い人のスケジュールこっちで押さえていいかわからないし、たとえ偉い人の予定とれてても「予定未定」の末端のアナリストの返事を待ち続けてしまったり……。
メン獄 「いい感じに調整してこいよ」ってのが、新人には一番きつい。いい感じに調整するには、誰々と誰々は仲悪いみたいなバックグラウンドとか、前提として考えなきゃいけない情報がいっぱいあるから。……そういうの誰も説明してくれないから、苦しかったなぁ。
樋口 新人時代といえば、忘れがたいのが、僕、お客さんに日次定例で毎日詰められてたことがあったんですよ。そんなある時、お客さんの偉い人から「樋口さんって、ぶっちゃけ何もわかってないですよね。誰かわかる奴ちゃんと連れてきてくださいよ!」って言われて、これはやべえことになったぞと思って、上司にエスカレーション(報告)したんですよ。そしたら上司が「わかるやつは全員忙しいから出せねえんだよな。てか現場にメンがいるじゃん。あいつ連れてけよ」って言われたんですよ。
メン獄 俺も全然わかってないのに(笑)。
樋口 ね(笑)。で、仕方ないのでメンさん連れてきて、「ここにわかる人を連れてきました。あとは、全部彼に聞いてください」って言ったら、メンさんはお客さんの前で一歩も引かず、「なんすか? 俺らが悪いっていうんですか?」みたいな態度で(笑)。
メン獄 舐められたら、負けだから。
樋口 「おっしゃることはわかりましたけど、それってエビデンスあるんでしたっけ? ちょっと、一回確認してもらっていいですか?」とか切り返してて、謎に頼もしくて、かなりおもしろかったですね。
メン獄 まあ大体は俺らが悪いんだけどね。ただ、その時のボスがものすごく怖い人で、よくわからないまま持ち帰ると怒られるから、どこが俺たちが悪いのかを納得できるまで確かめたかったんです。
とことん追い詰められると、最後はもう魂の戦いになる
樋口 当時のメンさんは、不利な状況下でも、上位ドキュメントでこうも解釈できるから、ギリギリ僕らはこうやりたい、みたいなコミュニケーションをよくとってましたよね。