アイドルグループ「KAT-TUN」の元メンバーで、現在はプロ雀士としても活動する田口淳之介さん(37)。事業家としての顔を持ち、現在は熊本県に軽度障がい者のための就労支援施設を開くべく準備を進めている。なぜ田口さんは支援施設に関わることになったのか。さらに創業者の性加害問題などで揺れる古巣・ジャニーズ事務所についても聞いた。(全2回の2回目/前編を読む)

©︎石川啓次/文藝春秋

就労支援施設立ち上げも手がけ、今秋オープン予定

――田口さんのプロ雀士の一面をお聞きしましたが、ビジネスもいろいろ手がけられています。実際、現在はどのくらいビジネスをやられているんですか。

田口 今は熊本で今秋オープン予定の就労支援施設の立ち上げが進んでいます。それとは別でエンターテイメントによった飲食店経営が2件ほどあったりと、手がけているビジネスは3つから4つぐらいですね。

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――就労支援施設は宮崎県にあるガルヒ就労支援サービス(以下ガルヒ)のフランチャイズになります。そもそもどういうきっかけだったんですか。

田口 知人の社長の紹介で、最初は宮崎県で放送されるテリー伊藤さん(ガルヒのアンバサダーも務めている)がMCの番組に出演しないかと言われて、そこでガルヒの社長さんを紹介され、実際に施設へ視察に行かせていただくことになったんです。するとすごく歓迎していただいて。

 ガルヒで支援しているのは障がい者の中でも軽度、うつ病だったり対人障がいがある方です。彼らは障がい者手帳を発給されて国の支援を受けているわけですが、ガルヒの理念は、でも自分たちで稼いで国に貢献することもできるんじゃないかというところからスタートしている。

 そこで関わってくるのがIT。実際ITの仕事は今後もっと増えていくし、そこに関わることで障がい者と呼ばれている人たちが、自分で夢を掴むことができる。実際に既に何人も正規雇用されていて、メイクマネーしている人もたくさんいる。そういう人たちと一緒にやることですごく楽しいことができそうだと思って施設の運営をしようと決めました。

 それ以前から障がい者の方の施設に行って、自分の曲の簡単な振り付けを教えて一緒にステージに立つという経験もしていました。犯罪を犯して逮捕(2019年5月、大麻取締法違反の疑いで逮捕)された経験もありますけれど、そんな僕でも喜んでくださる方がいる事実が、自分の中で前に進むパワーになってきました。なので福祉に関して微力ですが、関わらせていただけたらと考えていました。

©︎石川啓次/文藝春秋

「偽善じゃないか」という声も気にしない

――以前、別メディアでその話をされた時、厳しい意見として「偽善じゃないか」という声もありました。

田口 別に自分がやりたいのは、施設の利用者さんとできることを楽しんでやりたいというだけなんです。利用者の皆さんもそれがやりたいから来てくださるわけで、外野の意見は関係ないですね。そういう方にはぜひ見に来てほしい。百聞は一見に如かずです。

 逆にそうやって注目されたこともよかったと思います。「私もこういう場所でこういう施設を支援しています」「一緒に頑張りましょう」という前向きなメッセージも届いているので。僕はそうした1つの意見の方が、1000のアンチより大事なので全然気にしていないです。

――2019年の逮捕の話がありましたが、あの経験から改めて感じたことはありますか。