お不動さまの予言
──1億5000万円の当選宝くじを引き寄せた大黒様からは、その後何かお告げはありましたか?
三木 大黒様からのお告げはありませんが、別の方からはありました。お不動さま、不動明王です。不動明王は炎を背負っているんですが、これは鳥なんですね。夢の中で、私とお不動さまが山の上にいる。そして、「とうとう黒い竜がこんな所まで上ってきた」とお不動さまがおっしゃるんです。
黒竜は、仏教では悪い竜なんです。山の下では皆さんが生活をされていますが、黒竜のことは気づいていない。「黒竜、来るなー」「来んといてー」と私は叫ぶんですが、黒竜はどんどん上ってくる。
最終的には、お不動さまが鳥の炎で黒竜を焼いてくださり、解決するんです。「なぜ黒い竜が上ってくると、まずいんですか」と私が聞くと、お不動さまは「世界の四季が狂い始めている証拠や」とおっしゃる。「人々の心が荒れている。神仏を信じなくなっているからや」と。
そんな夢を見たのが、つい最近のことです。いま蓮久寺ではクラウドファンディングを実施させていただいております。実際、門の修繕だけで3500万円かかりますから、お金が足りないのも事実なんです。しかし、それよりも、多くの方に関わってもらいたい、その思いからなんです。祈りをする場所をつくるのがお坊さんの仕事。今、まさにそういう時代に差しかかっているんじゃないか、と思います。
──コロナの影響もありますか?
三木 お経にもコロナのことが書いてあります。疫病がある。疫病の後に、戦争が起きる。戦争の後に、極東の島で、有名な政治家が暗殺される。すべて順序立てて書かれているんです。次に起きるのが、春夏秋冬が狂ってくること。先程申し上げた、黒竜のことですね。温暖化、環境破壊を現しています。
お経の凄いところは、その止め方も書いてあることです。我々人間が清浄となり、悟りを開くこと。そのためにも、祈りの場所をつくろうと思っているわけです。
三木大雲(みき・だいうん)
1972年京都の寺院の次男として生まれる。多くの寺院で修行を積み、2005年京都の光照山蓮久寺の第38代住職に就任。怪談を切り口にしたわかりやすい「怪談説法」を確立する。京都日蓮宗布教師会法話コンクール最優秀賞受賞。14年「稲川淳二の怪談グランプリ」優勝。18年“最恐”怪談師決定戦「怪談王」優勝。OKOWAチャンピオンシップ初代チャンピオン。著書に『怪談和尚の京都怪奇譚』シリーズ(文春文庫)、コミカライズ版に『怪談和尚』、『怪談和尚 妖異の声』(作画・森野達弥)がある。