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「竹中さんは何であんなに叩かれるんですかね。合理的なこともたくさん言っていると思います。小泉さんや竹中さんが思い描いていたことの、数パーセントくらいしかできていないのが今じゃないですか。それをどんどん進めていくことが大事じゃないかと。ただ競争を認め、淘汰も受け入れる代わりに、従業員や家族にセイフティーネットをちゃんと敷いて不安を取り除いた上でチャレンジする。これがセットで行われるべきだと思っています」

「王道で共産党がなくなることを目指す」

 また、冒頭で紹介した馬場代表の「共産党は日本からなくなったらいい政党だ」との発言。藤田氏が「世界を見ても共産党と冠する政党が少なくなっている時代背景もある」などと釈明したのに対して、番組で新谷学・文藝春秋総局長は「支持しないことと、なくなった方がいいというのは別の話だ。乱暴に『なくなった方がいい』と言って、発言を撤回しない人が代表であることに怖さを感じる」と指摘した。しかし藤田氏は、馬場代表擁護の姿勢を崩さなかった。

「馬場さんも松井さんも橋下さんも喧嘩太郎ですから。私はもうちょっと上品だと言っておきます(笑)。けど、激動期の政治って一点突破で突き抜けていく力強さも必要です。一方、この政党だったら任せられるという安心感も両方必要だと思うんです。チームでやっていきたい」

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 さらに「藤田さんも『共産党はなくなった方がいい』と思っているのか」と質すと藤田氏は、選挙を通じて実現していく考えを強調した。

「大阪では、共産党や立憲民主党はなくなっているに等しいくらいの議席数になっている。僕たちの掲げる政策や改革指向がしっかり理解されれば、必然的に共産党や立憲民主党のような政治姿勢の人が少なくなり、なくなっていくことを王道で目指したいと思います」

予備選挙は「あり得ない」

 強気の姿勢を見せる藤田氏。その一方で、日本維新の会の“創業者”である橋下徹元大阪府知事は、衆院選では「自民党対野党の二者択一に持ち込むしかない」として、野党候補一本化のための予備選挙の実施を主張している。大先輩の提言をどう受け止めているのか。

「チャレンジャー側が予備選をやると本選に出る前に負けますから、選挙戦略としてはあり得ないですね。それに立憲民主党には意見を一つにまとめあげる力がなくて、操縦が効かない船になっている。立憲民主党は誰も操縦できないし、私たちも乗る気がないとなるとその船にとって代わらないといけない」

 強気の姿勢と危うさは紙一重だ。日本維新の会が勢力を拡大するほど、加速度的に組織のガバナンスは難しくなり、一つ一つの判断や発言に対する風当たりは強くなるだろう。

 番組終盤、藤田氏に「順調にキャリアを積み上げてきた人は目線が高くなりがち。保守政治家だからこそ包容力が大事なのでは」と問うと、「多くの皆さんに信頼されうる態度振る舞いが、ベンチャーから全国政党に変わる政党にも私自身にも課題だと思う」と率直に語った。

 若き幹事長の挑戦がどういう顛末を辿るのか。日本政治の行方にも影響を与えることになる。

 藤田幹事長が出演した「青山和弘の永田町未来café」は、「文藝春秋 電子版」で観ることができます。