私がチャラヒゲを教育したと勘違いされることがあるんですけど、彼は昔からそういう考え方の人なんですよ。チャラヒゲは学生時代から修学旅行で女湯をのぞこうとする男友だちに「お前それは犯罪だぞ!」とガチ切れしてたらしいんです。なんというか、そういう常識的な人ですよ。そもそも、こっちは妊娠して子どもを生んでヒットポイント1みたいなボロボロ状態なわけで、そんな人間にワンオペ育児をさせる方が不思議です。

©峰なゆか/扶桑社

パートナーを「好き」と思った瞬間

――育児を通して、チャラヒゲさんへの思いに変化はありましたか。

峰 それまでチャラヒゲのことそんな好きじゃなかったんですけど(笑)、彼が育児をする姿を見て、「あっ、好き」って思いました。私の場合、特に産後1カ月は会陰切開の痛みでほとんどわが子ちゃんと触れ合うこともできず、寝たきり状態で。その時チャラヒゲは本気のワンオペ育児と私の介護をしていたんです。

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 逆に、産後ホルモンの影響で夫が気持ち悪くなって触れたくなくなるという話は本当によく聞きますけど、役に立たない成人男性が家で寝ていたら嫌いになって当然だと思いますね。

――一方、チャラヒゲさんのご実家は保守的で、峰姓に変えることを知ったお父さんが激怒。絶縁状態になったそうですね。

 加えて、結婚・出産発表が大々的にネットニュースになったことで、チャラヒゲのお母さんに元AV女優という私の経歴がバレました。それがきっかけになって、今はチャラヒゲの両親とは連絡をとっていません。

妊娠中に作った「これだけはやるなリスト」

――実家との関係性やご夫婦での子育ての仕方、そして峰さん自身も“お母さん”の枠にはまらないオリジナルなスタイルを歩まれているように見えます。

峰 母親になるとみんな髪の毛をボブにするじゃないですか。あとは日焼け防止のデカい帽子を被ったり、アームカバーを着けたり。そういったことが全部嫌だったんです。でも、子どもを持ったら自分もそうなるかもしれないと思って、妊娠中から産後の自分への手紙として、「これだけはやるなリスト」をまとめておきました。

©文藝春秋(撮影:平松市聖)

――そのリストには他にどんなことを書いたんですか。

 SNSのアイコンを子どもにしないとか、自分のことを「◯◯ママ」と名乗らないとか、夫婦間でママパパと呼び合わないとかです。アームカバーとか洋服に関してはダサいと思うのでしたくないというのもありますし、とにかく「お母さん」である前に、「峰なゆか」のままでいたいという感じです。