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やりたい仕事か、やらなきゃいけない仕事か

 しかし、本田氏は最初のテレビアニメ版から20年以上も、「エヴァンゲリオン」シリーズに携わってきた。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』と『君たちはどう生きるか』のどちらに参加するか。悩んだ本田氏はその年の12月まで結論を出すことができなかったという。そこに、スタジオジブリ社長の鈴木敏夫が姿を現した。

鈴木敏夫氏 ©文藝春秋

「なかなか答えを出せないでいると、2016年の年末、12月30日だったと思いますが、鈴木さんに呼び出されて、吉祥寺にある喫茶店で話をすることになりました。

 さすがに何らかの返事をしなければまずいので、僕は正直に『《君たち》と《シン・エヴァ》、両方ともやりたい』と伝えたんです。が、鈴木さんもなかなか譲ってくれない。『本田君、仕事っていうのは、二つしかない。やりたい仕事か、やらなきゃいけない仕事か、ですよ』なんて言う。結局、お前はどっちがやりたいんだと」

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 なぜ『シン・エヴァンゲリオン劇場版』ではなく、『君たちはどう生きるか』を選んだのか。なぜカラーからスタジオジブリへと移籍したのか。そして、宮﨑駿監督と机を並べた6年に渡る制作はいかなるものだったのか?

 本田氏が今作について初めてインタビューに答え、巨匠・宮﨑監督との“真剣勝負”の日々を振り返った。 

 アニメ業界を揺るがした“大型移籍”の舞台裏、そして『君たちはどう生きるか』の制作プロセスを明かした、本田氏による「宮﨑駿監督との真剣勝負」は、「文藝春秋」2023年9月号(8月10日発売、「文藝春秋 電子版」では8月9日公開)に、10ページにわたり掲載されている。