8月4日、来日中の国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会のメンバーが日本記者クラブで会見を開いた。
ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏の性加害問題について、元ジュニアや事務所関係者らに聞き取りをしたと明かした上で、「謝罪であれ金銭的な補償であれ、被害者の実効的救済を確保する必要性」があるという声明を公表した。
「週刊文春」は1999年以来、ジャニー氏の性加害問題について報道してきた。元ジュニアの男性が実名で被害を告白したスクープ速報を再公開する。(初出:週刊文春 2023年6月29日号 年齢・肩書きは掲載当時のまま)
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「異質な世界なんですよ。誰かが触られていても、それが日常で、なんか特別なことっていうわけでもないような世界」
そう“合宿所”の空気を表現するのは、土田一徳氏(53)。昨年から活動を再開したジャニーズ出身のロックバンド・男闘呼組のメンバーだった人物だ。
当時の合宿所には少年隊、男闘呼組、中村繁之が住んでいた
土田氏がジャニーズ事務所に入ったのは、高校に入学した1985年春のことだった。小さい頃からピアノを習っていた土田氏は、ジャニーズにいた知人から、
「男闘呼組というバンドを作る。キーボード奏者が必要だから」
と勧誘を受けたという。
当時原宿にあったジャニー氏の自宅マンション、通称「合宿所」に行き、男闘呼組のメンバーと対面した。
「マッチはもう出て行っていて、少年隊、男闘呼組、中村繁之君らが住んでいた。ジュニアも時々泊まりに来ていました」
「ユー。やっちゃいなよ」正式にジャニーズで活動することが決定
そこでジャニー氏とも初めて会った。リビングのソファに座るジャニー氏は、初対面の土田氏を、「おいで」と隣に座らせると、服の上から身体を撫でた。
「ベタベタ触られて。腕やお腹なんかをずっと擦られてました。でも、周りにいた男の子たちは平然とファミコンをしていた。5人以上はいたと思います」
その後、ジャニー氏に「ご飯行こう」と誘われ、岡本健一、高橋和也、成田昭次と一緒に、新宿のロイヤルホストに行った。
「ユー。やっちゃいなよ」
そう言われて、土田氏は正式にジャニーズで活動することになった。