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「こころを病んでいるときに整形手術を受けてはいけない」まぶたを3回手術した女子大学生は、整形が原因で身体醜形症を発症

source : 提携メディア

genre : ライフ, ヘルス, 社会

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サラリーマンから起業した父と、現役看護師の母のもとに育ったアヤさん。重度の脳性麻痺である2歳上の姉と5歳下の弟がいます。

母は姉の世話と仕事でつねに忙しかったため、乳幼児期はおばあちゃん子でした。小学校、中学校までは皆勤賞で成績も良いほうでしたが、高校から女子大付属中高一貫校に入ると、中途入学の自分の居場所のなさを感じるようになりました。

やっとできた友だちが「可愛くなければ意味がない」という考えだったために、「顔を変えるのは無理でも、痩せれば可愛くなれる」と思って10キロダイエットしたのがこの頃。生理が止まったためいったんは体重を戻したものの、ストレスを感じると過食するクセがついてしまいました。

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有名私立大学に入学しますが、周囲が派手で華やかで、一重まぶたの地味な自分の顔へのコンプレックスが強くなります。そこで美容外科に行き、さっそく埋没法(プチ整形)を受けて二重まぶたにしました。

目の切開で「前より醜くなった」と落ち込み身体醜形症に

結果にはそれなりに満足したものの(術前が50点とすると80点)、もとに戻ってしまうのが怖くて同じ医師のもとで切開法を受けます。すると、腫れが予想以上につづいたうえに二重の幅も広くなり、「前より醜くなった」と感じました。

セカンドオピニオンを求めたつぎの病院でもまた再手術を勧められ、二重の幅を狭くする手術を受けます。しかし実際に手術を受けてみると、今度は二重の幅が狭すぎてほとんど一重のように見え、またラインの食い込みも気になって悩むようになりました。

それが原因でダテ眼鏡がはずせなくなり、やがてはひとりで外出ができなくなってしまいました。整形が原因で、身体醜形症を発症してしまったのです。

自分の能力が認められないため劣等感で不安に襲われる

繊細度を測るHSPセルフチェックをしてもらうと、アヤさんは23問中21項目に該当し、非常にセンシティブな気質であることがわかりました。レジリエンス指数テストでは、「感情調整力」と「自己効力感」がとくに低く、自分の能力が認められないために人と劣等比較しては不安に襲われ、感情をコントロールできずにいることが症状の背景に見てとれました。