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「こころを病んでいるときに整形手術を受けてはいけない」まぶたを3回手術した女子大学生は、整形が原因で身体醜形症を発症

source : 提携メディア

genre : ライフ, ヘルス, 社会

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まずは、レジリエンスを強めるために、すぐに自己否定してしまうネガティブな思考の仕方をポジティブなものに変換する練習をしていくことにしました。

彼女のような繊細な人には、マインドフルネス呼吸法もそれ自体にレジリエンスを強くする効果があります。

悩みを克服しようと思うとき、私たちは無理にその悩みを排除しようとしがちですが、悩みは悩みとして抱えたままでも、じつは前に進むことができます。「自分は醜いかもしれない」という悩みは、そのまま持っていても別にかまわないのです。

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「そうか、今の私は悩みを抱えているな」と、その悩みを客観視し、顔を気にしている自分がいると「知っておく」ことが大切です。

まず「自分は醜いかも」と悩んでいることを客観視する

決して「醜いままでいい」と言っているわけではありませんから誤解しないでください。悩みがあっても、綺麗になるための努力や工夫は好きなだけしていいのです。

カウンセリングをはじめてから2カ月後、アヤさんは自分の悩みを「単なる悩み」として受け入れはじめました。

レジリエンスがだいぶ回復してきたと感じた私は、アヤさんが気にしていた二重の再々手術を提案してみました。「腕のよい名医を紹介できるので、整形手術のカウンセリングを受けてみませんか?」と。

すると、アヤさんからはこんなメールが届きました。

「今は元気に大学に行けるようになったので、手術はしばらく見合わせたいです」

中嶋 英雄(なかじま・ひでお)
精神科医、形成外科医
1973年慶應義塾大学医学部卒業。1988~2010年慶應義塾大学医学部形成外科学同助教授、准教授を経て、精神科に転科し群馬病院勤務。現在は美容整心メンタル科を掲げ、身体醜形症、不安症などの神経症、整形依存、パーソナリティ障害の治療を行っている。著書に『ほんとうに美しくなるための医学』(アートデイズ出版)。
「こころを病んでいるときに整形手術を受けてはいけない」まぶたを3回手術した女子大学生は、整形が原因で身体醜形症を発症

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