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 重要なのは自分自身の力を発揮して成功するために、どのような考え方を持ち、行動をし、習慣を持てばいいのか、ということです。私自身、書籍を通してこのような話を本気でお伝えするのは初めてのことです。ですので、本書でお話しすることはもしかしたらこれまで聞いたことや教わったことのない内容かもしれません。

 しかし、その内容はたくさんの人を通して確信してきたことばかり。

 それを知ることで、あなたの成長の加速度はどんどん大きくなることと思います。

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 さて、本書ではこれからエースになる方法──すなわち「自己を確立し、自信を持ち、前に向かって進む」ためのさまざまなヒントを、私が指導してきた多くのアーティストや私自身の体験談を交えながらご紹介したいと思います。

 みなさんのなかにはもしかしたら「自分には才能がないから芸能人のマネはできない」と思ったり、反対に「10代の小娘の話が自分たちの役に立つわけがない」と決めつけたりしている方がいるかもしれません。

 ですが、それはどちらも正しくないと、私は断言できます。

 まず、アイドルの女の子たちは決して特別な存在ではありません。とくにAKB48の初期メンバーは「なんだかおもしろそう」とか「テレビに出られたらうれしいな」くらいの軽い気持ちで応募してきた子が多くて、特別に意識が高いわけでもなかった。ふつうの会社でも「なんとなく」で入社してくる新入社員はたくさんいると思いますが、アイドルの卵もそれと同じようなものなのです。

©文藝春秋

 課題が与えられ、それに向かって努力するという意味では、働き方だって大差ありません。ビジネスマンが売上目標を達成するため営業に励むように、アイドルは「1週間で○曲の振りを覚える」といったノルマをクリアすべく猛練習するのです。

「鬼コーチ」が見たアイドルの厳しさとツラさ

 ただし本人を取り巻く環境だけは、ビジネスマンとアイドルとで大きく異なります。

 たとえばアイドルはつねに人の目にさらされていて、失敗の責任はすべて自分に振りかかってきます。ふつうの会社なら、新人のうちは失敗しても上司や先輩がフォローしてくれるものですが、タレントの世界にそれはない。失態はテレビカメラをとおして日本中に知れわたり、確実に本人の減点になってしまいます。