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高校の同級生を唖然とさせた《殴打事件》 木原誠二のトンデモ伝説「女とは最多で九股」

2023/08/29
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岸田首相も「大丈夫だよな?」

 生涯で1000人を超える女性を相手にしたというイタリアの文筆家ジャコモ・カサノバのように、多くの女性を魅了してきた木原氏。その胆力も常人離れしているのだろう。女性問題が報じられても動じることはなく、冒頭のように、子供たちと手をつなぎ、愛妻に笑顔を向けていた。

 だが、その4日後に「週刊文春」が報じたX子さんを巡る疑惑は衝撃的なものだった。彼女には結婚歴があったが、前夫は2006年、自宅で死去。当初、警察は不審死として処理したが、木原氏と結婚後の2018年に捜査を再開。X子さんは重要参考人として事情聴取を受け、自宅や実家に家宅捜索も入ったのだ。

「当時、木原氏は自民党の政調副会長兼事務局長として、岸田文雄政調会長を支える立場。文春の続報によれば、木原氏はX子さんに対して『俺が手を回しておいたから』、『刑事の問いかけには黙っておけ』と語っていた。一連の報道に対して木原氏は『事実無根』と主張し、刑事告訴する構えです」(前出・デスク)

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 だがX子さんを巡る疑惑は、再捜査当時から、永田町で有名だった。「二階俊博幹事長(当時)は木原氏を呼び出し『今のうちに離婚した方がいい』と助言。いつしか岸田氏の耳にも届き、『木原の件、大丈夫だよな?』と心配していました」(自民党関係者)

岸田文雄首相 ©時事通信社

 現在は「囲み取材にも応じず、逃げるように官邸の裏口から出入りしている」(前出・デスク)が、異変が生じているのは記者対応だけではない。7月、岸田氏がカタールなどの中東3カ国を歴訪した際、木原氏が同行する予定だったが、突如、磯﨑仁彦副長官に変更された。政治ジャーナリストの青山和弘氏が語る。

「表舞台には立たせられないと判断したためでしょう。副長官としての職務にも支障が出始めており、党内からも『今夏の内閣改造で交代させるべき』との声が高まっている。ただ、岸田首相の腰は重いようです」

 かつて離婚を促したという二階氏も、本誌の取材にこう首を傾げる。

「代わりの人材はいくらでもいるよ。いるけども、そりゃ任命権者のご判断だからね……」

目玉政策を次々と発案

 なぜ更迭できないのか。官邸での勤務経験もある霞が関幹部は、「極めて優秀なアイデアマンで、政策立案では欠かせない存在」と評する。

「総理が今年の年頭会見で表明した目玉政策『異次元の少子化対策』を発案し、ネーミングしたのも彼でした。総理の頭に無かった政策だが、昨年末頃、『打ち出すべきだ』と強く訴えた。他にも、昨年ぶち上げた『資産所得倍増プラン』や、2022年を『スタートアップ創出元年』と位置付けたのも木原氏で、主要政策のほとんど全てに関わっています。スピーチライターとしての役割も担い、施政方針演説や会見の原稿もチェック。『総理はこういう言い方は好まない』と、細かく注文をつけています。昨年5月、英国の金融街シティで講演した際の『インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)』というフレーズも考案しました」

ゼレンスキー大統領を出迎える木原氏 ©時事通信社

 各党とのパイプ役も担う。6月30日、創価学会の佐藤浩副会長も姿を見せた公明党埼玉県本部主催の会合に菅義偉前首相と共に出席。その3日後に名古屋で開かれた公明党愛知県本部の会合にも出席していた。

「埼玉では、会合終了後もホテルに留まり、夜8時30分まで関係者と協議を続けていました。公明だけでなく、日本維新の会との関係も深く、馬場伸幸代表や遠藤敬国対委員長とも会合を重ねています」(同前)

 岸田氏がここまで信頼を寄せるのは、総理の座を勝ち取った2021年総裁選を共に戦った“股肱の臣”でもあるからだ。前年の総裁選で菅氏に敗れ、無役となった岸田氏は1年がかりで公約を準備。毎週水曜日になると、衆議院議員会館の一室に岸田派の議員を集めて政策を議論。「新しい資本主義」など、現政権の看板政策のモデルを練った。岸田派の武井俊輔・外務副大臣が語る。

「5人ほどで始まった勉強会で、地方行脚や議連を回る担当などが割り振られたが、全体を取りまとめたのが兄貴分だった木原さん。総理が最も厳しい時期を支えたことが現在の信頼につながっているのでは」

「総理の精神安定剤」とも言われ、官邸内での存在感は増すばかりだ。

「松野博一官房長官は安倍派所属ですし、首席秘書官の嶋田隆氏や事務の官房副長官の栗生俊一氏も官僚で、苦楽を共にしてきたわけではない。最も心を許せる存在が木原氏なのです」(前出・霞が関幹部)