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7月以降失速したベイスターズ…残りのシーズン、どう前を向けばよいのか

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/09/07
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 ベイスターズ予報士の檜山靖洋です。

 横浜で猛暑日の日数が過去最多になるなど、今年はものすごく暑い夏となりました。ものすごく熱かったと言えば、夏の甲子園の決勝戦です。神奈川県代表で横浜日吉にある慶応高校が優勝。慶応の応援の迫力に、阪神タイガースを感じるのは私だけでしょうか。それは単に慶応ラグビー部のジャージが黒と黄色のタイガージャージだからでしょうか。

 この夏、甲子園球場で流行った「も……もり……もりあ……盛り上がりが足りない!」という応援、慶応高校では森林監督にちなんで、「もりばやしが足りない」とコールされていたのも話題になりました。

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優勝を信じて疑わなかった今シーズン。今の順位・ゲーム差をどう捉えればいいのか

 神奈川県の高校が優勝したのは、中日の小笠原慎之介投手がいた東海大相模の2015年以来です。横浜市の高校が優勝したのは、あの1998年松坂投手の横浜高校以来です。1998年以来……

 今シーズンはベイスターズが25年ぶりに優勝すると信じ、開幕前から盛り上がり応援していました。開幕後も本当に優勝しそうだ!と感じていました。交流戦直後の阪神3連戦までは。

 モクモクとした入道雲が浮かぶ7月、苦しい試合が続きました。私は空を眺めながら妄想していました。不調のトンネルを抜けたら、夏場に10連勝くらいして首位に立つだろうと。

 ところが、8月に入ってもベイスターズの調子は上がらず、10連勝したのは広島と阪神でした。

 そういえば、6月25日に勢いで注文した交流戦優勝Tシャツが、8月下旬に届きました。まさか、こんな気分で受け取ることになるとは想像していませんでした。

 1位阪神、2位広島が足場を固めようとしています。ベイスターズの優勝の可能性が薄らいでくると、残りのシーズンをどのようなテンションで見ればいいのか、分からなくなりました。せめてAクラス入りしてCSへ!とか、来年に向けて若手の誰に期待しようか?とか。簡単に気持ちを切り替えることはできません。今シーズンは「優勝」しか見ていませんでしたから。

私の心に刺さった 大田選手、牧選手のヒーローインタビュー

 私の心が絶望感で満たされそうなころ、YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2023の中日戦がありました。初戦の8月8日は逆転勝ちで、ハマスタでの連敗を止めました。その日のヒーローインタビューで、大田選手は「優勝目指してみんなやっているんで、あきらめずに応援して頂けたらと思います」と。牧選手は「ファンの皆様、まだまだあきらめていないですよね? ファンの人ひとりでもあきらめたら絶対勝てないと思うので」と。

 この言葉が私に刺さりました。

 選手はあきらめず、苦しくても、毎日試合をするしかありません。ファンが勝手に応援して、勝手に諦めてはいけないと。優勝の可能性がゼロになるまで、信じて応援することを誓いました。

 とはいえ、優勝は非常に厳しくなりました。さらに今永投手の不調、宮﨑選手の離脱。今永投手は8月29日に7回無失点と復調、宮﨑選手も9月1日の巨人戦から戻ると、2試合連続ホームランを打ちました。しかし、今度はバウアー投手の離脱。

 入道雲が発達して雷雲となり、暗雲がたちこめ大雷雨が起こる前のヒンヤリした風が吹き始めました。

 ちなみに、雷雨の前ぶれは、ヒヤッとした風、真っ暗な空です。ヒヤッ、マ(っ暗)、「ヒヤマは雷雨の前ぶれ」と覚えて下さい。ハマスタで観戦の際、この知識が役に立つこともあるでしょう。

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