「ピラティスを続けたおかげで、今年は身体の不調なく1年間できました」選手からかけられた最高のほめ言葉
取材者としては2015年シーズンから、ピラティス講師としては2022年の春季キャンプから阪神タイガースにはお世話になっている。気づけば選手は全員年下で、コロナ禍以降に入団した選手とはピラティス講師として関わらせてもらっているため、「身体痛くないかな、大丈夫かな」。今シーズンは特にそんな気持ちで試合を見ることが多かった。このような気持ちを与えてくださったみなさんには感謝の気持ちでいっぱいだ。
年明けの自主トレからお邪魔させていただいたチーム岩崎、チーム青柳の選手たちもありがとうございました。以前、坂本誠志郎選手に「青柳×市川=どしゃぶりですね」と言われたこともあるほど私も雨女。チーム青柳の自主トレにお邪魔した日は1秒もグラウンドを使用できないほどの悪天候だったのも忘れられない思い出です。私がお邪魔した日以外は晴れていたそうなので青柳投手よりも私のほうがよっぽど雨女のようでした。
今春の一軍キャンプでのピラティスは早朝ということもあり選手たちは任意での参加。「人気ないし、かわいそうだから!」といじりながら参加してくれた糸原健斗選手。シーズン中は代打での起用がささやかれていたキャンプ中も「気づいたら出てるじゃん!ってなるように」と今シーズンにかける気合はすごかった。シーズンが始まると持ち前のしぶとさを発揮したのはもちろんのこと、岡田彰布監督もベンチでよく声を出してくれる選手として糸原選手の名前を挙げるほど、やっぱりチームに欠かせない存在だった。
『栄光の架橋』の大合唱中、私の頭にはそんな一コマ一コマが次々と浮かんだ。
A.R.Eから少し経ち、ピラティス講師として鳴尾浜を訪れる機会があった。ビールかけに参加した選手は「めっちゃビール重たいんですよ!」「5分で腕がパンパンで疲れました!」と、充実した表情で歓喜のシャワーについて教えてくれた。「ピラティスを続けたおかげで、今年は身体の不調なく1年間できました」とうれしい言葉ももらった。
取材者としてタイガースに関わる中で、「怪我に悩む選手の力になりたい」という気持ちがわき、大学院に進学して野球選手の怪我とピラティスについて研究した。選手たちに「先生」と呼ばれるのはまだまだ痒いけれど、グラウンドで輝く選手たちの姿ほどうれしいものはない。最高の生きがい、やりがいを与えてくださった阪神タイガースのみなさま、本当にありがとうございました。そして、ほんとうのほうとうに優勝おめでとうございます!!
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