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――他にスゴかったエピソードや2人にドン引きしたことはありましたか?

:テレビスターって成長が早いんですよね。だから自分が1個下とかだと最悪だろうなって(笑)。僕は9歳上だったんで、ずっと兄貴分でいれたのでドン引くようなことはなかったです。凄いなと思うのは貴明の記憶力。こういうことがあったと記憶を元にした伝え方がものすごく上手くて面白いんですよ。プロデュース力もあります。

 憲武はモノマネ力もスゴいし芸達者。そして、アーティスト。運動神経も抜群ですね。あと2人共、会話の言葉選びのセンスが素晴らしいです。

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番組内のコントで木梨さんにモノマネされる

――まさに港さんは『みなさんのおかげです』で木梨さんにモノマネされていましたね。

:最初はドラマや映画のパロディコントが主流の番組だったから、その流れで業界的なコントをやろうと、貴明が石田(弘)さんを「ダーイシ男」としてやり始めたんですよね。ダーイシって、わがままで小心者でいろんな人に迷惑をかけるキャラクター。だからそれを注意したり、ぶっ飛ばす役目が必要だってことで、作家の遠藤察男が考えて「小港ディレクター」を登場させたんです。

 憲武はノリノリで(笑)。僕が現場とかで着ている服を隠し撮りさせて、衣装さんに発注して同じ服を着るんです。現場は大笑いでした。

©山元茂樹/文藝春秋

――嫌ではなかったですか?

:憲武がノリノリで仕草とか特徴をつかんでくれたから、遠くから見たら自分でもあれ?って思うくらい似てました(笑)。ダーイシも小港も愛されるコントキャラになってよかったと思います。

大物女優や歌手が準レギュラーのように番組に出てくれたワケ

――先程とんねるずは芸人ではなくエンターテイナーとおっしゃっていましたが、特に『みなさん』の初期は他の芸人とほとんど絡ませていなかったように思います。そこに意図はあったのですか?

:今思うと哲学のようなものがありましたね。とんねるずがフジテレビでやっと手にした冠番組ですから、笑いを担う部分はとんねるずの2人でやりましょうということです。当時は、お笑いの人たちの絶対数も今ほど多くなかったこともありますけどね。

©山元茂樹/文藝春秋

 おかげさまで、あの番組はキョンキョンとか聖子ちゃんとか、宮沢りえちゃん、観月ありさちゃん、牧瀬里穂ちゃん、渡辺満里奈ちゃん、それにチェッカーズとか当時のテレビスターの皆さんが準レギュラーのように出てくれました。

 ゲストは基本的に綺麗に可愛く映すという方針でやりました。そして、コントの役の中で自分で笑いを取ると、喜んでまた出たいと言ってもらえる。他局のドラマパロディでも主演の方に出てもらったり、今では考えられないけど、「しょうがないなあ、あの番組は。宣伝にもなるから」って許してもらえたと思います。