「初めてがジャニーさん」というジュニアもいた
徐々に手が上に伸びてきて、ブリーフのパンツの上から下半身を触られた。そしてパンツを簡単にスッと脱がされた。家で用意されているパンツがぶかぶかなのは、このためだったのだろう。
その時点で覚悟をした。手で触られて、そして口で……。
いちいち下の方を見ることはしなかったけど、口でされているというのは当然わかった。幸い、女性との行為はもう済ませていた。「初めてがジャニーさん」というジュニアもいたから、それに比べればましだと思うしかない。
気持ち悪ぃと思いながらも、ひたすら我慢した。緊張とか、強張るというのでもない。ただただ必死に、寝たふりを続けた。足を動かされても戻さないで、いかにも寝てる、という状態を演じ続けた。
理解してもらうのは難しいかもしれないが、気づいていないふりをした方が楽なのだ。気づいているのに拒否しなかったとしたら、まるでされることを「許可している」みたいで、そう思われたくはなかった。
もしも後で誰かに「された?」と聞かれたとしても、「知らない」「されたっけ?」と、とぼけられるように、寝たふりをするのだ。
とてつもなく長い時間に感じた
行為は、とにかく歯が当たってめっちゃくちゃ痛い。それもあって、僕はイケなくて、途中でジャニーさんに寝られた。くわえられたまま。でもしばらくしたらまた動き始めた。さすがにもう諦めてほしかったので、途中で寝返りを打ったりしたけど、それでも終わらない。
どうしよう……そこでそのときに思いついたのが、AVを観ることだった。ケータイにイヤホンを付けて、ベッドの上の方にどかされていた布団に隠して、こっそりとAVを観始めた。たぶん気づかれていなかった。ジャニーさんが僕のベッドに入ってから、最終的に出ていくまでは、4時間くらい経っていたんじゃないだろうか。実際にされているのは1時間ぐらいだったと思うけれど、とてつもなく長い時間に感じた。
射精するとジャニーさんはそれを飲み込んで、隣の洗面所に向かっていった。何をするのかと思ったら、おもむろにイソジンでうがいをして、歯を磨くと部屋を出ていった。
カーテンを開けると、窓の外はもう白み始めていた。