――ただ、「別班」と言われる組織は、総理も防衛大臣も「知らない」としている組織になっていて、当時の共同通信も「問題じゃないか」と指摘している。
「文民統制っていうのはね、そうあるべきなんだけども、『知らせてはいけない義務』というのもあるんですよね。日本の場合、文民統制の主体たる議会が、秘密保持という点においてはまったく信用ならないので。その議会における情報保全というのがまったく仕組みとしても成り立っていない。
で、憲法(57条1項)に『秘密会』とは書いてあるけども、秘密会でいかに秘密が保全されるかなんて仕組みはどこにもないわけですよ。だから、文民統制は必要だと思いますよ。だけど、統制する側の秘密保全というのは、きちんと仕組みとして担保されていないといけない。私は、国会における『秘密会』の制度というものを整えないと文民統制は機能しないと思っているのでね」
防衛省はドラマの内容について「コメントは差し控えます」
他方、防衛省報道室に「別班」や『VIVANT』について確認を求めたところ、以下のように回答した。
「陸上自衛隊の『別班』といったような組織は、これまで存在しておらず、また、現在も存在していません。テレビ局が放映しているドラマの内容について、防衛省としてコメントすることは差し控えます」
石破氏が語るように「別班」が存在していた場合、憲法で定められた文民統制を逸脱している疑いも浮上するだけに、今回の発言は更なる論議を呼びそうだ。
9月6日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および9月7日(木)発売の「週刊文春」では、「文春“別班”が本気で追った 『VIVANT』9つの謎」と題し、堺雅人や二階堂ふみ、阿部寛ら主要キャストの知られざる秘密など、7頁にわたって同作の大特集を掲載している。さらに「文春オンライン」でも、『VIVANT』に関する記事を多数配信する予定だ。
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