TBS系日曜劇場『VIVANT』で、堺雅人演じる乃木憂助らが所属している陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」について、石破茂元防衛相(66)が「週刊文春」の取材に対し、「存在している」と語った。一方、政府は「別班」について「これまでも現在も存在していない」とする答弁書を閣議決定している。政府の公式見解と矛盾する石破氏の発言は波紋を呼びそうだ。
2013年共同通信の報道に対し、政府は「別班」の存在を否定
『VIVANT』では、乃木らが所属する「別班」が、海外での武力行使なども厭わず、謎のテロ組織「テント」の実態を暴いていく姿が描かれる。
「別班」を巡っては、共同通信が2013年11月、「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班(別班)が、冷戦時代から首相や防衛相(防衛庁長官)に知らせず、独断でロシア、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたことが分かった」と報道。「首相や防衛相の指揮、監督を受けず、国会のチェックもなく武力組織である自衛隊が海外で活動するのは、文民統制(シビリアンコントロール)を逸脱する」と指摘した。これを受け、政府は翌12月、「『陸上幕僚監部運用支援・情報部別班』なる組織については(略)、これまで自衛隊に存在したことはなく、現在も存在していない」などと否定している。
果たして、「別班」は存在しているのか。政界を代表する外交・安全保障通で、「国防がライフワーク」と公言する石破元防衛相に話を聞いた。石破氏は、第一次小泉内閣で防衛庁長官(2002年9月~2004年9月)として初入閣し、福田内閣でも防衛相(2007年9月~2008年8月)を務めている。
石破氏との一問一答は以下の通りだ。