元少年隊のひとり、東山紀之(56)のジャニーズ事務所新社長就任が話題になっている。

 特にファンということでもなかったが、1986年に少年隊が『紅白歌合戦』に初出場して「仮面舞踏会」を歌う姿をリアルタイムで見ていた世代としてはなんとも感慨深い。

東山紀之 ©文藝春秋

 ヒガシの愛称で知られた東山は、1966年9月30日生まれの神奈川県出身。ジャニーズ事務所社長だったジャニー喜多川氏からじきじきのスカウトを受けてジャニーズ入所。

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 85年に錦織一清、植草克秀とともに3人ユニット・少年隊のメンバーとして「仮面舞踏会」でレコードデビューすると、俳優としてもNHK大河ドラマ『琉球の風』(93年)、『元禄繚乱』(99年)、『花燃ゆ』(15年)など多くのヒット作に出演してきた。

仮面舞踏会

 人気漫画原作の『ザ・シェフ』(95年)や『喰いタン』(06年)では軽妙な演技を披露してファンを広げ、『名奉行 遠山の金さん』(88~92年)『必殺仕事人』(07年~)など時代劇への出演も多い。

 歌手・俳優業以外では『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日)のメインキャスターを、『バース・デイ』(TBS)でナビゲーターを務め、事務所の看板ポジションを維持してきた。

「ヒガシは“不良性感度”がない!」

 不倫スキャンダルなどはあったものの、業界では“ミスターストイック”と称され、仕事に対してはまさにまじめ一徹。周囲にまじめと見られていることは本人も認識しており、2021年の「WEB ザ テレビジョン」の取材ではその理由について語っていた。

「昔、俳優には『“不良性感度”が必要だ』ってよく言われていました。要するに“悪っぽく見える”ってことなんですが、松方弘樹さんにもよく『ヒガシは、“不良性感度”がない!』って。でも、どうやっても僕は“不良性感度”が出ないんです(笑)。

 なので『究極に真面目な方がいい』と考え、ストイックな道に行きました、それが僕にとって生きる道の一つだと思ったので。でもそういう先輩たちの考えがあったからこそ、また別の道も確立しなきゃいけないと気付けたんです」

 東山が自分の真面目さを受け入れるきっかけが、まさに「不良性俳優の代表格」の松方だったというのはなんとも説得力がある。