9月3日(日)朝、テレビ朝日のニュース情報番組「サンデーLIVE!!」でキャスターの東山紀之が何を語るのか注目されていた。8月29日(火)にジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長による性加害問題について、再発防止特別チーム(座長・林眞琴元検事総長)が調査報告書を発表し、藤島ジュリー景子社長の辞任と「解体的出直し」を提言していた。
所属タレントの最年長で“長男格”の東山紀之。創業者で前社長であるジャニー喜多川氏の性加害問題について藤島ジュリー景子社長が謝罪動画を公開した後、5月21日に東山はこの問題について同番組で言及している。「ジャニーズという名前を存続させるべきなのかを含め」検討するべきではないかとして、ジャニーズ事務所の「解体的な出直し」を匂わせるようなコメントだった。
東山は「コメントは控えさせていただきます」
9月3日の番組冒頭、東山はおよそ情報番組のキャスターらしからぬ言い方でジャニーズの性加害問題についてこう述べた。
「最初に私から一言、お話しさせていただきます。8月29日に再発防止特別チームにより発表されました厳しい指摘と改革案を含む調査結果を重く受けとめ、9月7日に会見を開き、今後の取り組みに関して事務所がご説明することになっています。その会見を前に今日の段階では私としてはこれ以上のコメントは控えさせていただきますことをご理解いただければと思っています」
この言葉は強い当事者意識を感じさせ、9月7日の記者会見に自分も何らかの形で関わることを予言しているようでもある。放送翌日には、文春オンラインが「東山紀之が新社長」と報じ、筆者はこの前打ち報道について後任社長がどうなるかはわからないという立場だが、いずれにしても、東山紀之がこの朝述べたコメントからは、苦境に立つ事務所の後輩たちのために一肌脱ぎたいという並々ならぬ覚悟をもっている様子が伝わってきた。
「もうやめろ!」TBSが取り上げた“証言”
東山紀之のように事務所の後輩たちのためにジャニーズ性加害問題と向き合おうとしたジャニーズ事務所の所属タレントがいた。北公次さんだ。
北公次さんといえば、1960年代後半から70年代にかけて一世を風靡したジャニーズ事務所初期の人気グループ「フォーリーブス」のメンバーだ。ステージ上でバク転を披露するなど身体能力の高さも魅力の一つだった。2012年に63歳で肝臓ガンのため亡くなった。その北さんが話している映像と音声について、独自の調査報道を続けているTBS「報道特集」が取り上げた。その内容はジャニー喜多川氏による性加害問題について、「もうやめろ!」とジャニー喜多川氏と姉であるメリー喜多川氏に訴えているというものだった。