9月2日(土)、TBS「報道特集」はジャニー喜多川氏による性加害について、3回目の特集を行った。ジャニーズ事務所に所属していたタレントたちが性加害について訴える「告白ビデオ」を入手して放送。この中で取り上げられたのが、北公次さんの映像だった。
「20年間まだ同じことを繰り返している」
1967年から78年にかけて主に活動したフォーリーブス。解散から10年後の1988年、北さんは『光GENJIへ』という本を発表して性被害について告白していた。翌1989年、40歳になった北さんは映像版「光GENJIへ」(製作・著作 村西とおる事務所)を発表。
「正直言って、我慢しなくちゃいけないという雰囲気につくられちゃって、この人の言うことを聞かないとデビューできないな、実際に『デビューさせてやる』ということを聞いていましたから。この人の言うことを、ジャニーの言うことを聞かないとデビューできないと思っていましたから」
カメラ目線で、加害者であるジャニー喜多川氏本人、さらにはそれを知っていながら止めようとしないように思えるメリー喜多川氏に直接訴える叫びになっていく。
「一番、ジャニーに考えてもらいたいことは……。ジャニーじゃなくて、メリーにも考えてもらいたいことは、20年間まだ同じことを繰り返しているってこと。僕はそれを言いたい」
このビデオ映像での北公次さんのコメントは次第に熱を帯び、子どもや親を「だます」という表現が出てくる。
「だからだますのはよくねえって言うんだよ。その子どもだけじゃなくて、親までもだましてさ……。俺の告白なかったら、どうなる? やめろよ! もう……。もう、繰り返しはやめろよ!」
マスコミ・警察から相手にされない“閉塞感”
今回の調査報告で焦点の一つになった「マスメディアの沈黙」。北さんはメディアについてもコメントしている。
「正直言ってね、書いてくれんの、何社しかいないよ。新聞は書いてくれんわなあ。それから女性週刊誌が書いてくれん。テレビは……レポーターは何もやってくれない」
告白本の編集と、このビデオの監督を務めたノンフィクション作家の本橋信宏氏は北さんの様子を「報道特集」でこう語った。
「目の前で犯罪行為が行われていたら、見て見ぬふりは普通の感覚だったらできないじゃないですか。『もうやめろよ』とも言っているしね。メリーさん、ジャニーさん、いい加減やめておけよと。マスコミにも本を出して訴えたし、警察にもジャニーズJr.が行ったけど、どこも相手にされないから四方八方ふさがりの閉塞感はすごいですよね」
北さんは新たにジャニーズ事務所に入ろうとする後輩たちに対しても次のようなメッセージを残していた。