あの日経がついに参戦した
読売と同じ「一塁側」にいると思われる産経新聞も読んでみよう。財務省が文書書き換えを認める方針を固めたというニュースが出た翌日。
「文書書き換え『改竄ではなく訂正』自民幹部『問題なし』冷静」(3月11日)
この記事、自民幹部の「見解」をそのまま知ることができて便利。続けて「少なくとも近畿財務局内部の話とみられ、麻生太郎副総理兼財務相の進退問題には発展しない」とも。政府与党の見解を知っておくことも大切である。
日本経済新聞はどう伝えたか。政治的なスタンスは「一塁側と三塁側のヤジ合戦」とは距離を置いているように見える日経だが、さっそく小泉進次郎氏に取材していた。
《「トカゲのしっぽ切り」と言われるような、官僚だけに責任を押しつけるようなことをする政党ではない姿を見せないといけない》
自民党内では異質と思える小泉氏のコメントを載せた。
コラムでは8日の「春秋」が目を引いた。松本清張の「よくできた推理小説」ネタから入り、今回の書き換え疑惑について「ここは小説の中ではなく現実の世界だ。そこでこういう小細工に及んでいたとすれば国民と国会への挑戦というほかない」とキッパリ。日経もきちんと参入していたのである。
12日夕刊の「昭恵祭り」で読売が言いたかったこと
さて、財務省が書き換えを認めた12日の夕刊が壮観だった。
「財務省、書き換え認める」「昭恵氏の名前削除」(朝日)
「書き換え数十カ所」「昭恵氏の名 削除」(毎日)
「昭恵夫人の名前削除」(東京)
「森友14文書 書き換え」「昭恵氏巡る記述削除」(日経)
まさに「昭恵祭り」である(産経は夕刊は無し)。そんななか読売の見出しは、
「佐川答弁と整合性図る」
であった。「昭恵氏名前も削除」とも書いているが、ここで言いたいのは
《書き換えは佐川宣寿のぶひさ・前国税庁長官が財務省理財局長時代に国会で答弁した内容と整合性を取るため、本省の主導で行われていたことが分かった。》
なのだろう。