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森友文書クライシス 今こそ「読売を熟読」すべき理由

新聞、それぞれの「正義」を読み比べる

2018/03/16

財務省がやった話か、政権の責任か 新聞それぞれの「正義」

 冒頭に紹介した「文書 書き換えさせられた 森友問題『自殺』職員メモ」(読売新聞夕刊 3月13日)では、「本省の指示で文書を書き換えさせられたとの趣旨のメモを残していたことが、関係者への取材でわかった」と「スクープ」。今回の改ざんは「財務省がやった話」という行間が伝わってくる。

3月13日夕刊各紙 読売は「『自殺』職員メモ」を見出しに置いた

 産経新聞は3月13日の1面に「『最強官庁』の呆れた隠蔽工作」と載せた。

《官邸や自民党さえも欺いており、忖度どころか「政権を守ろう」という思いさえ感じられない。》と財務省を叱る。

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 では朝日、毎日はどうだろう。

《政権に忠誠を尽くせば評価され、取り立てられる。官僚機構のそんなゆがんだ価値観もうかがえる。》(朝日社説 3月13日)

《財務省のみの責任だというような説明は無理がある。やはり安倍政権の体質自体に根深い問題があると見るべきである。(略)各府省の幹部人事は今、内閣人事局が決めている。「安倍1強」の中、本来、公正であるべき官僚は自らの人事への影響を恐れて、首相や菅長官にモノを言えない。そうした空気は強まる一方だ。》(毎日社説 3月13日)

©文藝春秋

 安倍政権の「一塁側」は財務省の責任を、「三塁側」は役人の忖度を生むシステムをつくった政権の責任を書いている。

 それぞれが互いの正義を言い合う。新聞を熟読すればやはり面白いのである。

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