読売だからこそ報じることができる政府・自民党内の警戒感
翌日と翌々日(3月4日・5日)は、読売は「書き換え問題」記事はお休み。国会報告という公の出来事があるまでは特別に書くことはないという判断だろう。まさに必要最小限の扱いで、これはこれで流れがわかりやすい。
では6日に財務省が国会に報告した調査について読売はどう評価したか。
《大阪地検の捜査を理由に書き換えの有無について言及を避けるなど苦しい内容に終始した。》(3月7日)
どうだろう、「一塁側」もこう書くのだからやっぱり財務省は苦しい言い訳なのである。
この記事の見出しは「森友 政府・自民に危機感」。記事中では「問題の質が違う」「大火事に」という自民党内の声。読売だからこそ報じることができる政府・自民党内の警戒感。
読売社説が口を開いたのは朝日スクープから1週間後
今回の問題を読売がはじめて社説で扱ったのが3月9日(金)。朝日のスクープから1週間後。ここで何と書いたか。
「森友文書問題 書き換え疑惑の真相究明を」
・政府は真相究明を急ぎ、説明責任を果たさねばならない
・財務省は関係者から聴取するとともに、文書の確認作業を行って事実関係を明らかにすべきだ
・貴重な行政記録である公文書の扱いが粗雑ではないか
コンパクトに今回の「書き換え疑惑」の大切な点、ド正論がまとめられている。朝日や毎日がこう書くのは予想できるが、読売が書くからこその説得力。
実はこのときネットなど一部には「朝日新聞はスクープの立証責任を」という声も出ていた。夕刊フジはそれらの声をまとめて
「森友書き換え疑惑、朝日新聞に立証責任求める声 『非常に曖昧』『証言以外の根拠あるのか』」 (夕刊フジ 3月8日)
と報じたが、読売社説は「政府」「財務省」には注文をつけているが「朝日新聞は立証責任を」とは書いていない。ふだん朝日と主義主張が異なるからと言って「スクープした側がまずネタ元を明らかにせよ」なんて同じ新聞として言うわけないことがわかる。