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〈木原副長官、留任説が一転交代へ〉ガーシー元議員も捜査 警視庁“財務のプロ集団”が木原事件「伝説の取調官」を狙っている!

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 岸田文雄首相が9月13日に行う内閣改造で木原誠二官房副長官を交代させる方針を決めたと11日、「産経新聞」が報じた。

 木原氏を巡っては、「週刊文春」が今年7月以降、妻X子さんの元夫である安田種雄さん(享年28)の“怪死事件”について報じてきた。岸田首相は報道後も周囲に木原氏を留任させる方針を示していたが、ここに来て一転、交代させることを決意したと見られる。

 突然の官房副長官交代報道。「週刊文春」が報じてきた“木原事件”に関するスクープ速報を再公開する。(初出:週刊文春 9月7日号 年齢・肩書きは掲載当時のまま)

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 木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫の“怪死事件”。「週刊文春」で実名告発し、記者会見も行った、X子さんの元取調官・佐藤誠元警部補について、警視庁捜査二課が捜査に乗り出していることが「週刊文春」の取材で分かった。

 捜査関係者が打ち明ける。

「警視庁がいま狙っているのは、佐藤氏の地方公務員法違反での立件です」

木原氏はいまだ事件を語らず ©時事通信社

 地方公務員法第34条では、「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」と定められる。にもかかわらず、佐藤氏は捜査上知り得た情報を、「週刊文春」の取材や記者会見を通じて第三者に漏洩したというものだ。

「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています。携帯電話の通話記録をすべて確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」(同前)

 そんな中、捜査二課が佐藤氏と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、8月10日のこと。書面には「捜査関係事項照会書」と書かれている。別の捜査関係者が明かす。

「同社に対し、捜査二課に連絡するよう通告したのです。それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第七係』という部署。捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」

7月28日には会見も行った佐藤氏 ©文藝春秋

 財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。2011年のオリンパス事件や17年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。

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